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いらない呪いはぽいぽい捨てる。

ぼくの老母は愛読書『赤毛のアン』のままに空想とセンチメンタルを得意とする人なので結構すぐ泣きます。

先日も実家に帰った際、「お前たちが子どもの頃、心に余裕がなくてあまりいい家庭にできなかったから、それが大人になっても色々影響を与えているかと思うと申し訳ない…」と泣き始めました。

今年父親が亡くなって揺れている時期でもあるので気持ちは分かります。おいおいと泣いている母親にまあ、待ちなさいと声をかけました。

「そういう風に言いたい気持ちは分かるけど、今のぼくの人間形成に影響を及ぼしているなんて思うのはちょっとおこがましいよ。影響がゼロとは言わないけれど、まあ、5%とか10%とかそれくらいじゃない?幼少期もベースになっているけれど、それよりは大学時代とか、社会人になってからの、自分の実力不足とか人間的な弱点とかを自覚した方が何倍も大きいよ。今でも全然だめな人間だけど、それでも20代のときと比べたら今の自分がマシと思えるようになって。20代の時のどん底からちょっとずつ方法論を見つけて、何回も失敗して、少しずつ成長しているわけで。今でも自分を好きじゃないけど、それでも今の自分の方が好きだと思えることはすごく救いなんだよ。他者がしてきた努力を脇において、『親のせいで』なんていうのはおこがましいと思います」

と伝えたら、「そ、そうなの…」ととてもびっくりしていました。まあ、そういう話も初めてしたから仕方ないけれど。それでも少し呪いを解くことができたみたいだから話した甲斐がありました。

誰が間違っているという話ではなく、その人には世界はそう見えるということなんだと思います。

人の数だけ世界があるのは当然だけど、まるっきり違う世界を見ているかもしれないから、対話することは大切だなあ…と改めて思いました。 違う世界を見ることは全然わるくないけれど、自分に呪いをかける必要はない。呪いはなくならないけれど、いらない呪いはあるから、ぽいぽい捨てていきたいです。

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稲田英資について

株式会社JBNで戦略策定とWebマーケティング支援を担当しています。
BtoB企業の成果に貢献するWeb活用について、Twitterで日々ツイートしていますので、よかったらご覧ください。

Web制作/Webマーケティングについて

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