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書くこと・コンテンツ

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書くことについてのnoteをまとめています。特に、地方中小企業様で「コンテンツが大切だとは思うけれど書くのが苦手で…」という方に向けて書いています。
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書けない地方中小企業のための「10の社内ルール」

ブログやWebコンテンツを書くのが得意な企業ばかりではありません。むしろBtoBの地方中小企業は多かったりします。今までその必要がなかったから無理もなく。 ただ、時代や社会が大きく変わり、事業にWebを活用するならばそのスキルが必要になってしまった。それが地方中小企業の現状だと思います。 「書けない」問題を抱える地方中小企業「書くスキルの必要性はわかる。でもできない」 BtoBを含む地方中小企業はこの問題を解決する必要があります。 まず単純に選択肢はふたつあります。

だからコンテンツにしろ(特に製造系BtoB)

製造系BtoBのWeb活用支援をしていると「こんな超大手企業から問い合わせがくるの!」と思うことが年に数回ある。それこそ世界を代表する企業の開発担当者が自分で検索して、三日に一度くらいの頻度でWebサイトに訪れてあれこれコンテンツを見て(ログでわかる)、いろいろ悩んだり比較検討した上で一ヶ月後に満を持して「◯◯を◯◯する試作をお願いできますか」とWebから問い合わせくださることも珍しくない。 そんなの当たり前じゃんと言われそうですがいやいや。地方中小企業からしたらトヨタとか

書くことは見ること

意外と知られていませんが「書く」とは「見る」ということです。もしあなたが「自分について書いてください」と言われたら、自分の中を覗き込まないといけません。洞穴を覗くように。見て、観察して、咀嚼して、選択して、再構築したことが「書く」になります。「見る」から始めなければいけないのに、いきなり「書く」をやろうとするから「書けません」「書くことがありません」となるんですよね。 順番が違うんです。まずは「見る」です。材料を何も用意していないのに無手でキッチンに立っても料理は始まりませ

コンテンツで選んでもらう時代が終わり、製品やサービスで選んでもらう時代がくる。たぶん。

Webコンテンツに特化した生成AIサービスの案内を受けました。数分で作られた4000字のサンプルテキストによくできてるなあと感心つつ、「こりゃあ、コンテンツで選んでもらう時代は終わるな…」と感じてしまいました。コンテンツではなく製品やサービスで選んでもらう時代になる。当たり前ですが。 ソースを入れたら自動でテキストが手に入るんだから、作れる/作れないの差はなくなる。コンテンツの差分は限りなくゼロに近づく。じゃあ、どこで差別化するんだっていったら「どんなソースを入れるか?」で

言語化は大喜利じゃない。

なんか言語化っていうと「うまいこと言う」みたいに捉われがちですが(言語化が苦手で…という人ほどその印象)、少なくとも仕事においての言語化は「観察・分解・整理」ですからね。大喜利じゃない。 観察する(材料やカードを揃える) 分解する(要素別、時間軸) 整理する(優先順位、問題点) これら一連の作業が言語化です。スマートに達者に喋るのが言語化ではありません。それは別の何かです。「喋るの苦手だから…」というのもほぼ関係ありません。 言語化のポイントは観察と分解です。自分の

「稲田さんの書く文章はスラスラ読めて心地よいです。言葉の選び方なのでしょうか」と訊ねてくれたA君への返答。

「稲田さんの書く文章はスラスラ読めて心地よいです。言葉の選び方なのでしょうか」と同僚のA君からチャットで質問されました。普段なら「わーい。ありがとう」で終わるところですが、A君は文章表現に興味がありそうなのでちゃんと返答してみました。 A君への返答ありがとうございます。もしぼくの文章が読みやすいとしたらリズムを最大限に心がけているからだと思います。ただ、これは数十年にわたって身体に入れてきた文章の総体で身についたものであり、非常にフィジカルなものなのでA君は現時点であまり気

ひとは興味がないものを理解しようとしない。

「話せばわかる」「ロジックが重要」とよく言われますがぼくはちょっと違うと思っています。その前に興味を持ってもらうことが大切なんですよね。ひとは興味がないことを理解しようとしない。たいていは「興味 → 理解」の順番なので。誰かに何かを理解してもらおうと思ったらまず興味を持ってもらうこと。 家族や上司部下などは「関係性」があるので労力が少し省かれます。耳は傾けてくれる。とはいえイントロ部分の省略なので、家族や部下といえども「興味をもってもらうように働きかけること」は大切になりま

製造系企業にお薦めしたい「我社のことを褒めてくださいインタビュー」

Webコンテンツの必要性は分かるのですがNDAで事例紹介も出せなくて…と下を向く製造系企業様は多い印象です。そんな企業様にお薦めしたいのが「我社のことを褒めてくださいインタビュー」です。今どこかしらの得意先が頭に浮かびましたか? そもそもこのテーマで取材をお願いできるお客様がいるのであれば絶対やるべきです。技術の詳細説明なんて無くても、「あなたの会社に頼んでよかった」という事実が詰まっているはずなので。それを読んだユーザーが相談してくれたときに技術説明をすればいいんです。

営業職や接客業の経験がある人はコンテンツ制作に向いている理由。

Webコンテンツに論理性が必要なのは前提として、その上でWebコンテンツは接客/もてなしの場であると思っています。同僚ライターがロジカルなテキストを書けるようになったので、次は接客性を付与していく段階的。接客のバイト経験ありとのことで伸び代しかないと思っています。これから楽しみです。 テキストを読んで修正したりアドバイスするときは「これは誰に向けて書いたの?それはどんな人?何に困っている人をイメージしたの?」がメインになります。ほとんどの人が「ユーザーファースト/コンテンツ

コンテンツの活用法の知見は事業会社と制作会社でたぶんそのうち逆転する。

2年前にWebサイトを制作した製造業の社長様からこんなご相談をいただきました。 「社員が頑張って記事を書いてくれているのは嬉しいのだけど、やっぱりユーザー目線での記事を書くのはまだ難しそうなんですよね。お客様側の課題とか潜在的なニーズを想像して書くのがWebコンテンツは大切だと思っているのですがどうも上手くできないみたいで。JBNさんがやっていたテーマの見つけ方とかユーザーのニーズを掘り起こし方とかが必要なんだな…と実感しました。ついては社員のコンテンツ制作の支援を改めてし

Webコンテンツにおいて「ネタがない」と言うのを禁止にしている理由。

Webコンテンツが書けないという方はたいてい「ネタがない」と言います。しかも、書かない人ほど言う。違うんですよね。ネタは毎日の仕事の中にすでにあります。顧客からの問い合わせメールや電話や同僚との会話の中に。ないのはそれを見つける目です。ぼくはネタという言葉が嫌いなので「切り口」と呼んでいます。同じ製品でも角度を変えれば切り口はいくつもあるはずです。 顧客の立場 既存客に説明する場合 新規客に説明する場合 検討中の見込み客に説明する場合 製品の機能 Aの機能にフュー

「コンテンツディレクター」という職務を一般的にしていきたい。

製造業様のWebサイトを絶賛制作中。事業部ごとのトピッククラスターとピラーコンテンツを設計しています。 未知の業界のことなので知らない専門用語だらけだし、4部門ごとに進めるので頭がパンパンに。最低でも1部門50記事はサイト公開までに書いてもらうつもりなので、4部門で合計200記事になります。それらを全部設計して、顧客と協議して、内容を詰めて、書いてもらって、書いてくれないからお尻を叩いて、褒めて、育てて、ブラッシュアップして、校正して、手直してして、Webページにしていく。

本気で褒める。評価する。

突然ですが、下記のテキストはぼくがどんな状況のときに書いたものだと思いますか? 7月のテキスト 8月のテキスト 9月のテキスト Web活用支援をしているA社様から「コンテンツと配信メールを書いたからフィードバックしてください」と依頼された際のお返事です。Web活用支援2年目のA社様は「コンテンツを書く」という最初のハードルを超えてくださったので、今のぼくは自発的に書いてくださったコンテンツや配信メールを見て改善点をお伝えする役割です。 読んでいただいたように褒めるこ

大人だって褒められたら嬉しいし成長する。Webコンテンツ支援で感じたこと。

製造系BtoBのWebコンテンツ支援をしていると、下記の2点を顧客に実感してもらうことがとても効果的だと感じます。 原稿をちゃんと見てくれている(校正/添削) やったことを褒められる(評価/賞賛) 日常的に文章を書いていない方ほど特に効果的で。20代の女性でも40代のおじさんでもそれは変わりません。 慣れていないので皆さん最初は恐る恐るWebコンテンツを書いていますが、〈書く →フィードバックされる →視座を獲得する →文章が良くなる →次を書く →前より進化している