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僕は無職で夢男③~目の前の選択肢~

夢を追うなら一人で生きる。夫婦でいるなら仕事をする。

僕の前には、この2つの道が現れた。

もちろん仕事をしながら夢に生きるという選択肢だってある。

しかしニートの僕が言っても説得力はないかと思うが、夢を生きるとはそんな生易しいものではない。

保険をかけているようでは、寝ているときしか夢を見れやしない。

現に今回書いた小説だって、そのことだけに集中できたから完成したわけで。

しかし一方で仕事をすることの大変さもわかる。

生活に必要なお金を稼ぐために、朝から夕方または夜まで働いてくれている妻がいる。

そのおかげで僕は不自由ない生活ができているんだ。

これは絶対的な事実なんだ。

では僕は甘えているのだろうか。

そうかもしれない。

スピリチュアルな世界に身を任せつつ、現実逃避をしているのかもしれない。

そしてその本質をハッキリと分かり得ない自分もいるのだ。

ただひとつ、僕が感じている何かがあることは確かで、”それ”が僕を動かしている気がしている。



ジャングルの中をさまよう群衆がいる。

みんな必死で目の前に茂っている草木をかき分けて進んでいる。

食料や水にありつくために、生きるために皆が必死になって協力して進む。

しかし一人だけ、群れを離れて高い場所や木を見つけては登っていく男がいる。

群れの中からは避難の声が飛ぶ。

『みんな必死に草木をかき分けているのに、お前だけ何やってんだ』

しかし男は辞めることをしない。

どんなにバカにされても、高い場所を見つけては登ってを繰り返している。

するとある時、その男が高い木の上から群衆へ叫んだ。

このまま進むと崖しかないぞ!!』『方向を変えよう!!



今は大きな時代の変化にいる。

戦争中でも開催されていたオリンピックでさえ、中止になるかもしれない時代だ。

目先で起こっていることは【コロナ】かもしれない。

しかし本質はそこにないのだと僕は感じている。

僕らの知らないところで世界バランスが崩れてきている。

まだ始まりに過ぎないこの動きを察知している人がどのくらいいるだろう。

昨日、NHKで東北の津波がテーマに放送されていた。

多くの命を救ったのは、逃げるという行動をうながした数人の人物によるもののようだ。

初めに危険を察知し、群衆に知らせ、行動を起こさせることで多くの人が避難をしたという。

さて、今の日本であり世界では、もうその動きが始まっていると僕は考えている。

これは危険を伝えているのではない。

見る力、感じる力が必要な時期になっているということだ。

人類は多くの経験を経て成長している。

先人に学び、僕ら現世の人間がいるわけだ。

ならば今世界で起きているこの現象にも学ばなくてはならない。

集団ではなく、個の活動が広まることで、不必要な大量生産などを抑えられるかもしれない。

だってそれは、隣の人を真似して生きる必要がないのだから。

そして同時に、表現をする人たちを守ることになる。

だって伝統職人がいなくなっていることがその答えでしょ?

すべてがお金で計算されていけば、作るモノの方向性だって変わるわけだ。

そしてその行きついた未来が今である。

損得勘定で広がった世界は、個人の色や生き物の命などよりも、収益を優先してしまってきたのかもしれない。

これからの時代は、本当の意味での物々交換で成り立っていくと思う。

であるならば、自分が持っているモノを知らなくてはならない。

自分のお金以外の価値を作らなくてはならない。

なぜなら今は、お金のために自分の人生の時間を売って(交換して)いる社会なのだから…。



妻は僕の選択が決まるまでの間、実家に帰っていた。

僕はひとり自宅に残り、こんなことを考えていた。


つづく。

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