僕は無職で夢男⑦~妖精は小さなおじさん~
さて、どうするか。
妻からは、ハッキリと拒まれてしまった。
このままスピリチュアルな思考を貫いて、東京に戻り、一人でやりたい人生を進んでいくか?
それとも、やりたくもない仕事を始めるか。。
喧嘩での胸くそ悪さもあり、初めのうちは東京へ帰り、自分のスタイルを貫くことを考えていた。
自分の書いた作品も評価してもらっている。
あとは出版に向けて行動を起こすところまで来ているんだ。
しかしそんなことをして、僕は本当に幸せなのか?
僕が成功したいのは何のためなんだろうか?
そもそも”成功だと思っている場所”はどこにあるのだろうか?
妻が実家に帰ってる間、僕は自分の中の奥の部分と会話をして過ごす。
食欲もなかったので、一日一回だけ少量の野菜を炒めて食べていた。
しばらく辞めていたお酒も、昼から飲んでしまう始末…。
妻と別れるということを改めて考えた僕は、身体の半分が引き裂かれるような感覚だった。
同時に”成功だと思っている場所”が、なんとなくわかってきたような気がしていた。
僕は自身のブログを開いた。
もちろん記事を書く気力はない。
ただなんとなく、自分で書いた小説を読みたくなったのだ。
妖精は小さなおじさんを読み進めた。
どこかの誰かに勇気を与えられる、気づきを与えてあげれると思っている自分の小説だ。
物語の一部始終を知っている小説。
僕は、自分が書いたその小説に勇気づけられていた。
視野が狭くなっている自分に気づかされた。自分の文章から…。
そうだった。
宇宙の計画は壮大で、そのすべてを把握することはできないんだ。
日々起こる現実の中には、もしかしたら人生で最悪な出来事だと見えることもあるだろう。
でもね、そこを通らなくては先へは進めないんだ。
人生のパズルを完成させるには、それは必要なピースなんだ。
道の途中である今、そのプロセスを楽しみながら進めばいい。
絶対に大丈夫だから。
僕は、今起きている現状を受け止めることにした。
そしてこのことが、未来のどこかで活きてくると理解した。
僕は妻を愛している。
妻に楽をさせたくて成功を求めていたんだ。
妻と愛犬クマジと一緒に自由を満喫したくて、成功を求めた。
一人でやり遂げたって意味はない。
夫婦で、家族で歩んでいきたいんだ。
僕の目からは涙が溢れていた。
それは、普段は顔をだすことがない、愛に触れることができている証拠であった。
僕はGoogle検索に文字を打ち込んだ。
【🔍:松江市 求人 仕事】…。
つづく。
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