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奇跡の祭礼「鎌倉四響祭」についての書記

鎌倉四響祭の模様


1224年12月26日、鎌倉時代。『吾妻鏡』によると当時も疫病が蔓延し、それを鎮めるために陰陽師による除災の儀式「四角四境祭」が鎌倉で催されました。そして約800年の時を経て、再び鎌倉で12月26日に疫病退散を祈る祭りを催しました。それが「鎌倉四響祭-Social DisDance-」。

四方を守護する四神獣をあしらった4台の人力車に乗った陰陽師(DJ)による4種のライブが同時に催され、参加者は好きな人力車のライブを自由に選び、踊り練り歩き楽しむことができます。

四神獣

オープンエアーで移動しながら催すことで三密を回避し、音楽は小音量のスピーカー出力に加えサイレントフェス形式を導入し、専用のヘッドホンを装着すれば高音質で爆音でライブを楽しむことができます。周りには少ししか音が出ていないので、距離を保ったまま会話も可能。更には街への騒音問題も解決するSocial DisDance型のサイレントフェス®︎です。

イメージイラスト
実際の様子(「玄武」の人力車)

さて、当日はどんな模様だったのでしょう。
奇しくも、というか、ある種必然的に、開催2日前の自分が当日の模様を既に描いて投稿していたので、その文章をそのままシェアします。

ため息も凍るような日だった。細雪が宙を舞い、段葛の桜は白化粧。

百鬼夜行が如く大衆が舞う。

やがて加熱した交歓の螺旋は雲を渦状に散らしていき、竜のように細く長い陽光が差し込む。

街を包む柔らかな光は森羅万象の境界を融かし、若宮大路を行き交う人々、街路樹、野鳥、石像、微生物、全てが祝祭的な温度へ到達する。

”約1600年前に催された「四角四境祭」は鬼除の結界を張り、結界内を守護するものであったが「鎌倉四響祭」は有象無象の生命に張られている結界を共響させた。

生命という結界呪術をかけられた魑魅魍魎の我らを祝った。

大団円を迎えた祭りは交わった人々に残火を分かち、五行が結ばれ新たな結界を街に建築した。

以降、疫病は両者に痛みのない程度に無害化し、現在に渡る800年間この土地のウェルビーイングを守護している。”


ということで鎌倉はこれから800年間、安泰です⛩

最後の方の文章の文脈について、企画背景については以前書いたこちらの記事にて。

・・・

見ての通りの奇跡的な祝祭っぷりでした。無事故、無怪我で今のところ感染者数も0です。

青龍の人力車と指示板(ヘッドホン着用のため視覚で伝達)
メディア取材に応えるYonYonさん
教会前で陰陽師の祭。エントロピー高い。
僧侶でヒューマンビートボクサーの赤坂陽月さん。エントロピー高い。
玄武の人力車と玉様祭壇
各人力車に式神と呼ばれるヘッドホン配布スタッフ
四神獣それぞれの旗も作りました
青龍の人力車が追うミラーボール
子どもたちからおばあちゃんまで幅広い人たちが参加
雪の中のイマジン盆踊り部の皆さん
デッカチャンも出演

聞いた話によると

80代くらいのおばあちゃんが雪の降る寒さのなか段葛で祭の開始を随分前から待っていてくれたそうで「最近はこういう祭りがしばらくなかったから、鎌倉でやってくれて本当にありがたい」と話しかけてもらった、とのこと。  

通年行事が毎年ちゃんとあるって大切なことだと思う。

毎年やるからこそそれを希望に持てる人もいるし、それを楽しみにあと1年生きてみようって思う人だっているかもしれない。

コロナで身体的な感染対策をするのはもちろん大切なことだけど、それと同時に精神、社会的なケアをしていた祭をどう共存させていくか、環境適応した様式を素早くローンチできるかはコロナから守ろうとしていた「健康」を多角的に守護する上で、実はとても大切なことなんだと思う。 

その他でも年末で混み合う車の中からも窓を開けて音を楽しんでくれていたり、式神ⅱの人たちが精力的にパンフを配ってくれたこともあり、街の人も当日20名も参加してくださり、前売りはソールドアウトで計100名以上で満員御礼のお祭りとなった。 

制作したパンフレットは前日にうちに集まってもらい1000枚手織りした。

ご来場いただいた皆様、祭の広報に協力してくれた皆様、期待値を持って寒い中足を運んでいただき、本当にありがとうございます。 

神さんの多大なご協力をはじめ、 Endoca さんに大量のCBDオイルを配ってもらったり、 きものレンタル都 さんにたくさんの着物をスタッフ用に提供していただいたり、 DRINK A GO GO さんにドリンクのディスカウントをいただいたり、 鈴木屋酒店さんにご協賛いただいたり 鎌倉彫資料館 さんに絵葉書のプレゼントをいただいたり鎌倉FMさんにご紹介していただいたり、、

鎌倉の企業以外にも Atelier Hikitsugi さんにアップサイクル用の素材を提供いただいたり、 YAMAHAさんにスピーカーを、Jaceryさんにバッテリーを協賛いただいたり、、

数え切れないほどの皆様のご支援をいただきました。

祭りのあとに思うこと。

鳴り止まなかった通知音がしんと止み、窓の外の走行音だけが聴こえる。祭のあとの、異様な静けさ。

年末の色彩を帯びてきた街に浴衣の女性が目にうつる。そうか、昨日は祭だったんだ。 

そんなことを考えながら真っ白い部屋で佇んでいると、スマホが賑やかになってきた。ご参加いただいていた多くの方からコメントや感想の投稿が流れてきて、なんだかまたあの時の熱気に引き戻されてしまった。

サカキさんが当日の模様を吾妻鏡風に書いてくれた。

令和三年(2021)十二月廿六日戊申。霽。此間。疫癘流布。被行鎌倉四響祭。可祈祷之由。体験作家雨宮優申行之。未刻。雪降。經一時休止。御人力車四騎。朱雀。青龍。白虎。玄武。諸人群參。舞樂。太有其興云々。

<読下文> れいわさんねんじゅうにがつにじゆうろくにち。つちのえさる。はれ。このあいだ。えきらいるふす。かまくらしきょうさいをおこなはれる。きとうすべきのよし。たいけんさっかあめみやゆうこれをまおしおこなふ。みのこく。ゆきふる。いっときをへてきゅうしす。おんじんりきしゃよんき。すざく。せいりゅう。びゃっこ。げんぶ。しょにんぐんさんす。ぶらく。はなはだそのきょうありとうんぬん。

<現代語> 令和三年(2021)十二月廿六日戊申。晴れ。最近、伝染病が広がっています。鎌倉四響祭を行いました。祈祷するようにしましょうと、体験作家の雨宮優が申し出て行いました。午後1時頃、雪が一時降ってやみました。人力車は四台。朱雀、青龍、白虎、玄武です。大勢の人が集まりました。舞や音楽はとても興味深いものでしたとさ。


吾妻鏡は普通に日記なのが可愛い。
しかし800年前の書記が現代まで伝わっているのは本当に奇跡的なことで、例えば現代から800年後に何かを伝承しようとしたとき、現代の技術を駆使したとしても完全な未来予測から確実なマテリアルや手段を考案することは骨が折れると思う。(石板作って埋めるなどは時代が証明する通り固そうだけど、石だけに)

吾妻鏡が写本され継承されてきたように、100年以上先にいる人類に写本(的な行い/マテリアルの乗り換え)され得るものってなんだろうと考えたとき「時代の詳細な記述(歴史的価値)」「超ヒットした物語(文化的価値)」「バイブル(宗教的価値)」などかなと思い、事細かな歴史の記述を出版し公共的な価値を上げまくるか、時代を象徴するような大ヒットコンテンツをつくるか、宗教をつくってでかくしてバイブルとして継いでもらうか、あるいは大量のbotを製造してテキスト毎日自動生成し、未来のAIに当時流行った祭として勘違いしてもらうか。

そんなことを考えていたけど、この祭りは歴史になるのだろうか。
それを目的に作ったわけではないし、そもそも歴史なんて勝者の日記くらいにしか思ってないけど、1度世に放たれたエネルギーは永遠になくならないから、この土地だけは確かに記憶し続けてくれていると思う。800年前だって多分、そんな気持ちで疫病を鎮めようとしてたんじゃないかな。自然は人間の時間軸じゃ生きてないからね。

陰陽術で疫病退散なんて現代医療からすれば荒唐無稽に見えるし、実際身体に物理的なエフェクトは何も及ぼさないのかもしれないけど、心身一体は誰もが認めるところで、プラシーボ的に、あるいは精神ケアとして役立つならそれは立派な医療の1つだと思う。

開演前に参拝した鶴岡八幡宮より。巨大な竜のような雲が浮かんでいた。

そして、実際に今回当時の四角四境祭の祭場すべてを参拝して、鶴岡八幡宮とその鬼門となる絵柄天神社に参拝して、四神獣をあしらった人力車で四境を守護し、地を守護する麒麟を段葛に設置し、天を守護する黄竜はキービジュアルに描きオンラインから発信し、など陰陽術的なことをやるだけやっていたら奇跡な天候と祭りが顕れたように、まじない、侮るなかれ、と思う。

薄々感じてはいたけど、やはりイベント作りで一番大切なことは参拝。まずオーガナイザーが当日の朝に参拝に行けるだけの時間を確保できている時点で、組織づくりや成功するための準備はほとんど整っているということだし、かつ制御不能の有機体(人間たち)が不特定多数集まる場においては、どれだけ丁寧にオペレーションを組もうとも必ずイレギュラーは起こるから、まずは人事を尽くすことが大事だけど、人のCPUが及ばない領域においては人ならざるものの力を頼らねばならないときもある。

今回何事もなく盛況して終わったのも、運営スタッフの尽力はもちろんのこと、場が持つ力に守護してもらった側面も大いにある。なぜならあの場所は約800年前から続く結界の中心地だから。

(四角四境祭の結界については下記の記事にて)

当日配布したパンフレットの表紙。

797年前の祈りと健やかな未来を結ぶ、という今回のコピー。
康(安らかさ)を建てると書いて健康と呼ぶ概念は時代に応じて変容しつつ、
身体と精神と社会という人間の基本フォーマットが続く限り、そこに普遍的な価値観の継承もあるはずだ。

約12000年前の人類最古の遺跡、ギョベクリテペは宗教施設だったとされる。そしてビックデータの解析によれば宗教とは複雑な社会→儀式的な行い→神的なものが見える→宗教化という流れらしいので、ギョベクリテペで儀式的な行いがなされていた可能性は高い。言葉もなく、音で疎通していた祖先たちがその場で催す儀式は祭り的なものだったのではと想像すると、12000年前から継承されてきたこの普遍的な文化は、恐らく800年後まで続いていく。

過去2度鎌倉で催された四角四境祭。今回を経て4度目の四鏡祭はいつ、だれが、どのように催すのかまだわからないけど、それを以て何か大きな結界が完成する予感もする。疫病と人類は祭りと同じくらい切っても切れない関係性にいるので、100年後、200年後、あるいはもっと早くに再び大きなパンデミックがあるだろう。それに対して進化した医療は人間というハードウェアの遺伝子改良により根本的な無病な生命体へと変化させるかもしれないし、それでもどうにもならないエキセントリックな疫病が蔓延する可能性だってある。

ウイルスも人間も共に生きようとしていているだけなのにままならないのは自然の摂理であって、全ての生命をひっくるめたガイア的な生命体をメタ的に空想してみるとしたら、それは健全な新陳代謝ともいえる。

技術爆発が起これば死生観も自ずと変化し、疫病との関わり方も変わり、疫病退散なんて差別用語になってしまったり(考えづらいけど)そんな世界線だって未来には残されている。

その時にこの鎌倉四響祭は過去と未来の接続点として何ができるかを考えていた。過去からは四境結界、もとい五芒星結界の継承を行いつつ、鬼除という排他から生命という共感へ文脈を書き換え、未来へ投げてみた。

生命というエネルギーの探索と代謝を行う複製増殖のプロセスは細胞膜や身体、あるいは原子という結界によりそれぞれ一時的に保たれ、いずれ散逸して均一な世界に同化するという点においては、ウイルスも我らも同族であり、刹那的に更新されゆくこの身体、この時間を共にするこの場においては、共感による祝祭が成されるのもまた自然ではないだろうか。切なくとも、切なくとも。

この時代の、雨宮優という1つの個体においての1つの生命観を未来はどう
受け取るだろうか。祭りという継承の文化を催すにあたってはそんな愉しみもある。

・・・なんだかつらつらと思ったことを随筆してしまいました。
総じて感想をまとめると、無事に終わって、自由に楽しんでもらえて、催してよかったなぁと思います。

今後の行方

さて、今後の鎌倉四響祭の行方です。通年行事になっていく祭りと、有事の際に催される不定期の祭りと種類があるとして、自分が催すにあたっては恐らく基本的には後者になると思います。

というのも通年行事としての祭りはその土地に住む人たちが代わる代わる新陳代謝の中で伝統を継承し、更新して営んでいくのが持続可能な在り方だと思うから。鎌倉は地元とはいえ今は小田原に住んでいるし、地の人や行政から発注があれば京から派遣された陰陽師のように出張して催せればと思ってますが、自ら主催して毎年催すということは今のところ(資金的にも体力的にも)難しいかなぁと思ってます。

コンテンツ自体は解放できればと思うので、地に根付いた人がチームを組織し催す気概があるのであれば出来る限りのサポートはしていきます。

あとまぁ疫病退散の祭りとしては、他の地域にも結界を張っていかねばと思ってます(鎌倉は無事張れたので)。人力車を用いることから、倉敷とか京都とか箱根とか、今回と同じくえびす屋さんがある場所であれば連携もしやすそうだなぁと思ってます。

人力車を用いた無音のDJイベントという恐らく人類史上初のノウハウを持ったスペシャルチームができてしまったので、ご依頼あれば馳せ参じたいという所存です。

製作費もそこそこにはしますが、まぁまずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。 (お問い合わせはこちらまで)

そして今回の記録は何某かのマテリアルに保存し、800年後まで継承されうる生存戦略を引き続き検討していきます。公式のアフタームービーは、12月26日より44日後に公開予定ですので、そちらもお楽しみに!

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Silent it 
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Yu Amemiya/体験作家
HP/ https://www.yuu-amemiya.com/
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「 鎌倉四響祭 オールクレジット」

プロデューサー / クリエイティブディレクター/企画演出/PR/写真

雨宮 優

クリエイティブディレクター/演出/玄武ディレクター

サカキ

舞台監督/制作統括/機材ロジ/青龍ディレクター

Kentaro Taga

制作管理/白虎ディレクター

水谷 亮子

朱雀ディレクター/演出補助/渉外補助

ひ で

渉外/協賛/制作管理/資金調達/会場整備

布田尚大

制作管理/スタッフィング

鬼頭哲也

スタッフィング補助/早馬

Akihiko Asano

Web/のぼり/パンフレットデザイン

チカシー

ロゴ/キービジュアルデザイン

工藤 シンク

PR

ユウキ カおル

人力車DJ卓制作

大蔵麻人

受付

レイ

Asuka Zac Matsumura

湯島 ちょこ

東内 一弘

青龍装飾

KUKAN

朱雀装飾

パラダイスアレイ

玄武装飾

白鳥紗也子

白虎装飾

Kyoko Yoshioka

青龍サブD

児玉優美

朱雀サブD

小沢悠斗

玄武サブD

加藤 康治 /Akihiro Nakazatoo

白虎サブD

田中 苑子

映像撮影

kazuya tanaka

写真撮影

霜自由/ Yooco Minatono

スタイリング

前島 ミシェル 由衣

青龍式神ⅰ

新造 真人 /緋月

青龍式神ⅱ

小畑リク 川瀬広

青龍守護

@藤本聡 / 深谷 紅羽

朱雀式神ⅰ

大島 / 佐藤

朱雀式神ⅱ

中田 / 紺谷

朱雀守護

佐々木 恵子 / Kurumi Utunomiya

玄武式神ⅰ

工藤ギンペー / 矢島聡美

玄武式神ⅱ

Fukumoto Riku / Gacchan Kanako

玄武守護

金田達明 /広上雅宣

白虎式神ⅰ

中井/百瀬

白虎式神ⅱ

小松 瑛恵 / 浅草 アリス美由紀

白虎守護

瀧本一徳/ヤナギサワ

-出演-

[Music]

KEIZOmachine ! (from HIFANA)

赤坂 陽月

Djデッカチャン(DJDEKKA)

YonYon

DJカッパ( Kashima Yukikoイマジン盆踊り部) feat オニ 佐伯真有美(あふりらんぽ)

DJ濡れ天狗 Seiichi Sakuma

玉様祭壇 南雲 将行 Akie Doi 山本愛 

コスガ ツヨシ(cro-magnon)

望月優

[Dancer]

青龍: Natacha Dancer/Shizuka Masaoka/ Juno Yukiko/ラビアナ・ジョロー

朱雀: Satri Abe/ Yuhki Oomoto/ Inti/ Uoomin Asami/イマジン盆踊り部

白虎: 神 真紀子/大友友美

玄武: Eva Ebanco /白鳥紗也子 /村男 / Rumi Hug /Mai Nakajo

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後援:鎌倉市観光協会

協力:人力車のえびす屋 鎌倉店

協賛:Jackery Japan株式会社/ヤマハ株式会社/ENDOCA CBD/Imbaya/atelier HIKITSUGI/鈴木屋酒店/きものレンタル都/鎌倉彫刻資料館DRINK A GOGO/RYOKU サンレモ

Special Thanks: ARTS for future! / 鶴岡八幡宮


「こんな未来あったらどう?」という問いをフェスティバルを使ってつくってます。サポートいただけるとまた1つ未知の体験を、未踏の体感を、つくれる時間が生まれます。あとシンプルに嬉しいです。