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南アフリカ旅 ⑧ パキポディウム・ナマクアナムに出会う方法

SENDELINGSDRIF、国立公園内の宿から車で数分。
宿のスタッフが話していた通り、オフロードを10分ほど走ったところに、その植物はいた。
進行方向左手、岩山が連なるその山肌に、紛れもなく僕らが探していた姿をついに見つける事が出来た。
「パキポディウム・ナマクアナム」
背の低い植物しか生息しない岩山からニョキッと顔を出す彼らは、ここリヒタスフェルトの限られた場所にしか生息しない貴重な植物だ。

岩山を駆け上がると、意外と高い。しかし目の前に鎮座するのは紛れもなく憧れの植物。
迷う事なく駆け上る。

憧れのナマクアナム。



3株ほど集まって生えているポイントまで登ると、辺り一体の岩山に点々と同じ姿を見る事ができた。

今回の旅の重要な目的をなんとか達成した安堵感に胸を撫で下ろす。ただ確実にそこには大きな感動があった。

美しい景色と小さくない不安。靴に入り込む砂。砂漠の上を猛スピードで駆けていくトカゲ。助けてくれた人々や優しい町。この旅を形成する様々な要素が走馬灯のように頭を巡る。

本当に来て良かったと、美しい旅だと心から思った。

翌日の朝もう一度見に来る事にし、一旦宿に戻って簡単に食事を済ませる。

オレンジ川の向こう、ナミビアに落ちていく夕日を見た後は国境沿いの夜空にまばゆいばかりの星達が輝いた。


翌日。空が青みを帯び始める朝8時に宿をチェックアウトし、もう一度ナマクアナムの元へ。

春の南アフリカ。大株は一斉に開花していた。



今回の旅はパキポディウム・ナマクアナムと共にMVを撮るという一つの目標がある。
友人達に手伝ってもらいながら、岩山の斜面に三脚を立て、MVの撮影を行う。
急斜面の足元は大小様々な岩で形成されている為、中々にスリリングな撮影である。

1時間半ほどの時間をかけて撮って集めた素材を見返すだけで、改めて素晴らしい場所に来たなと思う事が出来る。
帰国後に制作にとりかかろうと思うので、楽しみにしていただければ嬉しい。

さてさて、Latitiaに荷物を預けてしまっているので、急いで来た道を引き返す。
国立公園の入場ゲートで一旦止められ、車の中やバックの中、ありとあらゆる場所を調べられる。貴重な植物たちが持ち出される事のないように、厳重な警備により保護されているようだ。
ちゃんと仕事はするが、陽気な人達。ここでも初めてみる日本人たちに気さくに話しかけてくれる。

ゲートを無事に抜けるとすぐに、右手にあのアロエ・ピランシーの巨木が見えてきた。
すぐに車を停めて、近くまで歩く。
やはり凄まじい大きさだ。推定樹齢400年。自然の雄大さをひしひしと感じる。

ピランシーと友人夫婦。


そこから先は訪れた町をひたすら引き返した。
1時間程走り、ついにオフロードを脱出。砂漠との別れを惜しみながらも、アスファルトのありがたみを感じながらAlexander Baaiを通過。今日は風が強く、町中が砂塵に包まれている。
Port Nollothで給油。ついでに海沿いのレストランで食事をとり、そのままSteinkopfに直帰する。

何度も言うが、ここまでの道は本当に素晴らしいものだ。
アフリカに魅せられるには十分すぎる。
目まぐるしく変わる植生、街並み、優しい人々、あの青い空。他には絶対に無いものがある。

僕はまた必ずここに戻ってきたいと強く思った。そして次回はパキポディウム・ナマクアナム達がもっと沢山群生する国立公園の奥地へと出向きたい。出来れば家族と共に。

もし同じように、ここを訪れたいと思う人がいるならば、行き先は簡単だ。

①Cape TownからN7をひたすら車で北上。
②SpringbokまたはSteinkopfという町で一泊する
③西の果て、Port Nollothを経由しAlexander Baaiへ(どちらかで給油を)
④Richtersveldのオフロードをナミビアとの国境を横目にひたすら進み
⑤SENDELINGSDRIFを目指せ!


尚、泊まる宿はSteinkopfの「Hollywood lodge & Green jewel adventures」を強く推しておく。

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