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熱い想いを引き継ぐ~創業ではなく事業承継という選択肢~

こんにちは!片貝舞です。

群馬県に移り住み、群馬県で中小企業支援をして2年が経ちました。
最近は群馬県産業支援機構で週3回経営支援の窓口を担当しています。その中で多いなと思う相談はずばり「創業相談」。皆さんご自身の特技やこれまでの経験を活かして独立したいという熱い想いを持ってお越しになります。皆さんは、創業希望者の方がどんな悩みを抱えているか、想像できますか?これを読んでいる方の中には、創業してみたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、いざ創業をするとなったときにどんなことにつまずくのか考えてみてください。

創業希望者の方の多くが悩んでいること、それは・・・

資金調達です。自己資金が足りない、どれだけの資金を準備すればよいかそもそもわからない、という方が多くいらっしゃいます。そんな方への支援のとして、まずは資金計画を立ててもらいます。そこで自己資金で賄える分と融資や家族からの援助によって調達が必要な分が把握できます。融資が必要となれば、地元金融機関や日本政策金融公庫などに融資の相談に行きます。並行して起業支援金や持続化補助金(創業枠)などを申請すれば、実際の自己負担はある程度軽減されます。

ただ、融資額や補助金にも限度額がありますよね。その場合の支援策の一つとして、私は事業承継を勧めています。

事業承継とは、経営者交代や企業の引き継ぎを意味します。家族経営の企業などは、自分の子に事業を引き継ぐということが良くあります。しかし必ずしもそういう事業承継だけではありません。社内でしっかりと後継者育成を行い、良きタイミングで交代ということもありえます。ただ、本業を行いながら後継者育成をしっかりと行える企業は多くありません。そのため、いざ退任というときになって後継ぎがいないという問題に直面してしまいます。事業が継続できず、廃業する際、その理由の一つに後継者の不在があります。廃業の理由は決して売り上げ不振だけではないんです。

事業承継で経営を引き継ぐことはゼロからの創業と違い、初期投資が比較的抑えられるというメリットがあります。その他にも既に顧客がいるとかスタッフがいるとかサービス、商品があるとか、事業の実績があるとか・・・たくさんの積み上げてきたものがあり、売上が立ちやすく、継続もしやすいというメリットもあります。
私が創業支援の中に事業承継の選択肢を入れているのはそういう理由があります。

後継者を求める既存企業と新しく事業を始めたいという創業希望者をつなぐ取り組みを行っている民間企業のサービスがあります。それが「バトンズ」です。

バトンズは事業承継・M&Aのマッチングサイトとして大手のサイトです。そしてこのバトンズのサイト内に群馬県が事業承継元の会社情報を公開しているページを作って、群馬県の事業承継支援をより後押ししています。

ミライマッチングも同じく事業承継のマッチングサイトですが、バトンズは基本的に匿名で情報を提供しています。事業内容、譲渡希望額、会社概要(詳細ではない)が書かれているものの、店舗名も所在地も既存顧客も既存商品やサービスの詳細もよくわからないわけです。しかし、ミライマッチングは事業を引き継ぎたい事業者に取材をし、自慢の店や商品について、事業を続けてきた思いなどが赤裸々に綴られています。

記事を読むと、店主が本当に大切に店を守ってきた様子がわかり、その思いに感動します。買い手である後継者候補の人は、匿名での掲載企業よりも共感しやすいと思います。

少しでも興味が沸いた方はぜひミライマッチングをご一読ください。
創業を考えている方は選択肢としてご覧いただけます。また、事業承継を考えていない人も身近にあるお店の店主がどんなことを考えて経営しているのか、のぞき見するチャンスです。記事を読むと日常的に利用しているあの店もこの店もきっと熱い想いを持って経営されているんだなと胸が熱くなって、店主にありがとうと言いたくなります。ぜひお試しください。

それでは、また!

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