固定費と変動費

結論

変動費より固定費の割合が多い場合、売上の変動に対する利益への影響が大きい。

前提条件

あなたは、レストランなどの店を経営していると考えてほしい。
(ざっくり)あなたの月々の利益は下の式で表される。

利益 = 売上 ー 費用 (①)

ここで、
売上:客が支払った金額
費用:店の経営に必要な出費(材料費・家賃など)
と考えていただければよい。

そして、あなたは(他の大多数の経営者と同様)利益を最大化しようとしている経営者とする。
ここでは、利益を少なくしようとする経営者を前提としていない。

上記の費用は、「固定費」と「変動費」に分解される。

費用 = 固定費 + 変動費 (②)

「固定費」「変動費」とは?

固定費:店の来客が0人でも支払わなければならない費用
変動費:店の来客数に比例して支払いが増加する費用

例えば先の例でいうと、家賃は固定費に該当する。
客が一人も来なくても家賃は支払わなければならないからだ。

先の例の、材料費は変動費に該当する。
客が来れば来るほど提供する料理も多くなり、その分材料費も増加するからだ。

言い換えれば、変動費は売上に比例する。

変動費 = 売上 × 変動費率 (③)

式①②③をまとめると、

利益 = 売上 ー(固定費 + 売上 × 変動費率)

となる。

固定費が多い店、変動費が多い店

ここで、固定費の多い店と、変動費の多い店を登場させる。

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現在、両店舗は売上・利益が等しい状態である。
しかし、その費用の内訳は異なっている。

ここで、景気が変動して、売上が上下した場合も見てみよう。

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このように、固定費が大きい店舗は、

・景気が悪化すると利益が大きく減少する。
・景気が好転すると利益が大きく増加する。

という特徴を持つことがわかる。

この、売上の変動に対する利益の変動をレバレッジと呼ぶ。

実際に固定費が多い商売とは?

鉄道業界、航空業界、ホテル業などは固定費が多い。
例えば、ホテルは客が来なければ、
・広告宣伝費
・人件費
・減価償却費
などが固定費として支払われる。

先に述べた業界が現在苦しんでいるのは、業界の費用構造にも一因がある。

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