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顧客による価格形成機能が働かないときどうすればいいのか

資本主義の競争の前提には、顧客には、より良い商品やサービスを選定する能力があり、それにより価格が形成されることが前提にある。
ただ、商品やサービス(商品等)によっては、顧客がその評価をすることが難しいものがあり(≒情報の非対称性)、その場合、市場の価格形成機能がうまく働かない。
このような市場の失敗という事態には、政府の関与が必要と言われている。

では、どのような関与が求められるのか。
考えられる方策としては、
①粗悪な商品等を政府の規制によって取り除く、
②顧客に情報が適切に与えられるよう、規制を設ける・方策を講じる、
の大きく2つが考えられている。
①は最低限の質が担保されるためには有効だが、粗悪なもの以外には特に影響が及ぼされないため、適切な競争がおきて価格が形成されるためには②が重要になる。

より具体的に、②で求められる情報とは何か。
1つに、現在顧客が購入している商品等が不適切なものであることを認識してもらうための情報があげられる。
顧客に対しては、追加の情報で判断の改善を求めるという点で、現状変更を求めることになるため、その必要性を理解してもらうことがまず重要である。

続いて、商品等を評価するために有益になる情報を提供する(または商品等の提供側にさせる)ことがあげられる。
商品等の提供側を批判的にみることのできる情報や視点を提供することで、情報の非対称性を解消していくことが重要になる。

例えば、紅麹の問題では、十分に1つめの情報が提供されているため、評価のための有益な情報をどう消費者に提供していくかが鍵となる。
他方、金融商品の問題では、消費者がそもそも損をしていると気づいていないこともあるため、その場合は、現状が不適切である点について広く世の中に知らしめることが重要になる。

分からないままで商品等が購入されていくのは、中長期的にマーケットに悪影響を与えるため、政府としてよく方策を講じていく必要があるのではないだろうか。

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