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難儀

結婚には、沢山のイベントが付いてまわる。
プロポーズ、両親への挨拶、両親顔合わせ、前撮り、指輪購入、同棲、婚姻届提出、結婚式、新婚旅行……。

いずれのイベントにも、経験者達からは「私はこうした」との経験談が聞かれ、様々な業者の皆さんから「せっかくの記念なので〜」「〜するお客様が多いです」とお勧めされる。
さっきまで、自分は〜を優先したい、〜がしたいという気持ちを持っていたはずなのに、経験談やお勧めを聞く度に、揺さぶられ、自分の気持ちが分からなくなる。

さらに、「周りの人に喜んでもらいたい」気持ちが混乱させる。
周りが何を望んでいるのかを推し測りながら、それと自分の気持ちとの折り合いをつけていかなければいけないからである。
周りの人(特に家族)ははっきりと要望を口にすることはない。実際、要望がはっきりとしていないこともある。

自分の気持ちすら迷子なのに、他の人の気持ち、そしてその気持ちをどれくらい大切に扱うかの判断をしなければならないとは、難儀だ。

しかも、これまでと比べ物にならない出費なのだ。
比較衡量せずにお金を使うことのできない私においては、一つ一つの選択に対して、「その価値はあるのか?」という質問が突きつけられる。
それに対する回答を、自分が納得するかたちで用意しないといけない。
比較対象がろくに存在しない中で、納得する回答をつくるのは、容易ではない。

この心労を越えた先に幸せがあると信じて、今は目の前の課題をクリアしていくしかないのだろうけど…。

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