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名所 一人芝居 戯曲

データ↑
あらすじ↓
不運と気にしない話
本文↓

名所

♪猫の鳴き声
💡明点

真帆はドンキの袋を持って帰宅する

♪着信

「はい、清水です。はい、はい。そうですか。残念です。はい。いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。本当ですか?助かります。あの、診察代は?そうです。話した通り、たまたま玄関にいて。そうですね。助かります。分かりました。何から何までありがとうございます。はい。よろしくお願い致します。はい。失礼します」

真帆は電話を切る
真帆はため息をつく
真帆は着信を見る
真帆はため息をつく
真帆は電話を掛ける

出ない

真帆は電話を切る
真帆はため息をつく

♪猫の鳴き声

「元気そうで何より」

真帆はため息をつく

♪異常な猫の鳴き声

「何?」

真帆ははける

「またか」

真帆は部屋に戻る
真帆はドンキではない袋を持ってはける

♪着信
♪着信切れる

真帆は厳重に縛った袋を手に部屋に戻る
真帆は着信が入っているっことに気づく
真帆はため息をつく
真帆は電話を掛ける

「もしもし?はい。何?ごめんて。朝は忙しくて出にくいの。無視してないって。だからさっきこっちから電話したでしょ?元気だよ。うん。健康だって。部屋もきれい。そうなんだ。え?そうなんだ。仲良くていいですね。私?放っておいてください。うん。うん。そうですね。嫌です。放っておいてください。え?嫌だよ。夫婦水入らずで東京観光すればいいじゃん。娘の部屋まで来ないでよ。うん。え?避けてはないけど。いないって。いたとしても、言わないし。え?他の隠し事?」

「信じないと思うよ。うん。分かった。あのさ。今住んでいる部屋さ、猫がよく死にに来るんだよね。特に朝。放っておけないし、だから朝が忙しいのもあるの。え?袋に入れて普通に捨てるよ。だって、首輪のないのはしょうがないでしょ。ほら、信じない。え?頻繁に玄関で猫が死んでいるってどんな気持ちか分かる?分かんなでしょ。最悪だよ。人の気も知らないで。何?だから来て欲しくないの。切るよ。じゃあね」

真帆はため息をつく

真帆は電話をかける

「もしもし。清水です。今朝は、猫ありがとうございました。あの、お時間があったら相談したいことがあって。端的に言うと、家の前によく野良猫が集まるんですけど、対策とかあればお聞きしたくて……。今朝持っていった弱った猫がよく来ちゃって。困ってるんですよね。あ、留守電で長々とごめんなさい。また電話します」

真帆は電話を切る
真帆はため息をつく
真帆はドンキの袋から焼きそばを取り出して食べる

「おいしい」

♪猫の鳴き声

真帆はため息をつく

💡暗転

END

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