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紳士 一人芝居 戯曲
データ↑
あらすじ↓
友達の話
本文↓
紳士
場所は交番
舞台上には机と椅子
机の上にはいかにもな電気スタンド
紳士はフォーマルな格好で椅子に座っている
紳士の前にはいかにもな女性もののパンツと洗濯ものほしが置いてある
「だから、何度も言うように拾ったんですよ。で、たまたま、アパートの前で、たまたま、住人らしき女性がいらしたから、あなたのですかって?え、おかしくないですよ?ご挨拶とかはしていないですけれども、ゴミ捨て場とかで見かけますし。それこそ、ビックリしたのは私の方ですよ。お尋ねしただけで、悲鳴をあげられて、おまわりさんが来て、交番ですよ?これさえなければ、今頃『世界の車窓から』をリアルタイムで見ていたというのに」
紳士は帽子を手に取り中身を見て女性モノの下着を机に出す
「え?ああ、すみません出すのを忘れていました。変態ではありません!あのね、おまわりさんは、このパンツについて話を聞きたいと言ってここまで連れて来たんですよ?聞かれてもいないパンツについては、話す義務もありません。うるさいな、それにこれらは、あなたのパンツでもないでしょ」
間
「いえ、こちらこそ、熱くなりました。いえいえ、すみません。おまわりさんが、不審な人に声をかけることで、犯罪は未然に防がれるんですものね。お疲れ様です。まあ、私は百歩譲って不審かもしれませんが、変態でも犯罪者でもありませんが。え?身分証?そうですね、一応ね」
紳士はポケットを探す
紳士は財布を探す過程で下着を一つ見つける
紳士は財布の中に身分証を見つけられずに名刺入れを探す
紳士は名刺入れを探す過程で下着を一つ見つける
紳士は名刺入れに身分証を見つけられずスイカ入れを探す
紳士はスイカ入れに身分証を見つけ身分証を出す
「ちょっと待ってください!なんで、応援を呼ぼうとしているんですか?ほら、道路にたくさん散らばっていたから。こんな風に、両手いっぱいにパンツを持っているのも目立つでしょ!それぐらいの分別は、私にはある!落ち着いてください。
紳士はポケットを探す
「これで拾った下着は全てです。はい、身分証です。やれやれ」
紳士は胸ポケットのハンカチーフのようなパンツで汗をぬぐう
おまわりさんはそれを奪おうとする
紳士はおまわりさんの手をよける
「なんですか!え?パンツですよ。嘘なんか、ついていません、これは私物の汗ふきパンティーです。止めてください、どこに電話するつもりですか?」
紳士は電話を奪い取る
紳士とおまわりの大立ち回り
「変な連絡はしないって約束するな?よし、いいだろう」
紳士は机に無線機を置く
「汗かいちゃったよ」
紳士がジャケットを脱ぐといかにもなブラをしていた
紳士はおまわりの視線に気が付く
「え?あ、ああ、無くさないようにって、一着みにつけたんだった」
紳士は電話を抑える
「嘘をついたことは謝ります。でも、誰にでも間違いってあるじゃないですか。え、もうないですよ。パンツ?履くわけないじゃないですか。あ、いや、そうですけど、おまわりさんにですか?えーっと、本当です履いていませんよ、人のなんか吐きませんし、そもそも履いていません」
間
「そうなんです。変態なんですよ。外を歩くときに、下着を付けない、変態なんです。止められないんです。洗濯が間に合わなかったある日、ノーパンで生活したら、清々しくて。それ以来、止めよう止めようと思っても、止められなくて。おまわりさん、あなたの言う通りかもしれない。下着については、本当に親切心での行動でした。しかし、変態性は漏れ出ていて、おおまわりさんはそれに気が付いて私を変態扱いしたんですね。おまわりさん。ノーパン罪で私を逮捕してください」
おまわりさん脱ぐ
「おまわりさん、あなたもノーパンだったんですか。ノーパンは罪じゃない、だって誰も傷付けていないから。そんなこと言ってくれるのは、おまわりさんが初めてです。ありがとうございます」
紳士とおまわりさんは固く握手をする
紳士とおまわりさんはハグをする
SE 悲鳴
「あ、ちがうんです!」
END
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