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元同僚男性を果物ナイフで刺殺した女②


・精神鑑定医の証言

被告は鑑定当時は事件について素直に話していたようである。前回証言のような支離滅裂な話はしていなかった。その上で
被告は猜疑性、妄想性パーソナリティ障害または境界性パーソナリティ障害であると。
しかしその事が今回の事件に直接は関係していないとのこと。
検察はこの障害を性格の歪み、特徴と認識し弁護人は責任能力に疑問があるという主張。
被告は18歳の頃精神科に1年間入院していたが古すぎてその頃のカルテはない。
義父の話では統合失調症だった、と。
子供の頃から意識障害があった、とも。
被告曰く実母に虐待を受けていたと話していたが義父はそんなことはなかった、と。
実母はすでに亡くなっている。
被告は弁護人からの質問には支離滅裂な回答をするが検事からの質問には比較的まともに答えていた。

裁判中、被告が弁護人の質問する態度にキレだしそれを諌めた裁判長にも食ってかかってる場面があった。

裁判長
「被告人、事件に関係ないことは話さないように」
被告
「裁判長ぉ〜、声が小さくて何言ってるかわかんな〜い」
裁判長
「(マイクに口を近づけて)被告人は…」
被告
「(被せるように)はぁ?マスクしてて聞こえな〜い、何言ってるんですかぁ?」

―ここで一旦休廷―

被告はまだ興奮した様子で弁護人の方に戻り愚痴り始めた
被告「ねえ、あの人何言ってるか分かんない」
弁護人A「……」
弁護人B「補聴器付ければ?補聴器」
被告「はぁ?お前何度もNG出してるのになんでいるの」

確かに被告は裁判中弁護人Aとしか話してなかったし弁護人Bには見向きもしていなかった
しかし国選弁護人にNGとか出せるのか

被告はいつも幼い声で聞き取りやすくも支離滅裂な話をする不思議ちゃんのようで本人もそれを自覚していたし弁護人質問もそれを引き出していた
ただ弁護人にキレる様は早口、高圧的でありつつも論理的で大人の女性のように弁護人を捲し立てていた。
不思議ちゃんにみせている外見とは裏腹にプライドの高い女性だと感じた。

次回
判決

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