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絵が下手な人が解説する「下手な絵」から「それなりの絵」にしていく過程

前回→「【閲覧注意】絵の下手な人が解説する「下手な絵」が出来ていく過程」

どうもこんにちは。今回もこのテーマで行きたいと思います。今回はだいぶタイトルで攻めたんですが、果たして本当に「それなりの絵」が完成するんでしょうか……。

さて本題です。

時に「絵が安定しない」と言った人を見かけませんか? 

そう、私です。

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「下手」を強調するとシュバってきそうな人対策に、初めに「下手」の定義を決めておこうと思ったわけで。

それが今言った「安定しない」です。

そして今回の記事の趣旨は「上手く描ける時もある」ということは、それをベースにすれば同じクオリティで絵を描けるかもしれない。ということを実践していこうかなと。

先に2つの結論から

1,可愛い絵は、可愛い比率が全て(比率特化型)

キ

細部にこだわるよりかは「まずある材料で、比率をキレイに」を意識。

超時間粘っても「可愛くならないなぁ~」って時は大前提である「可愛い比率」が間違っている可能性大。
上手く描ける時ほどすんなり描けたりしませんか? それは最初の比率が偶然にも「可愛い比率」だっただけです。

可愛く描けない時は以下の3つの比率をまずは気にしたいところ。

・目が大きすぎないか(または位置が上すぎないか下すぎないか)
・輪郭が小さすぎない(または大きすぎないか)
・髪の毛を盛りすぎていないか

※可愛い比率は人によって違うので好みのイラストレーターさんの絵を観察してください

2.上手い絵は1ミリ単位(ディティール特化型)

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比率が終わってから細部。

ここでは劇的に可愛くはなりませんが劇的に上手く見えるようになります。

「技術的には上手くなるけど可愛く描けない」

というのは1ミリ単位の作業は上手いんだけど、項目1の萌えバランスが苦手な人のなんじゃないかと思っています。
(特にリアル思考の人って、「えっ!? こんなに目大きくていいの?」みたいに二次元特有のデッサンが受け入れられなかったりするので)

以上の比率特化型、ディティール特化型。

この二つが合わされば「可愛いけど、かっこいい(説得力のある)絵」が誕生するんですが、なかなか難しい話です。

では実践に入ります。


ここまでなら描ける、という分かれ目(実践)

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さっそく今から正面を描いていきます(記事を書きながら)

見てわかる通り、右のラフ絵はお世辞にも可愛いとは言えません。

問題は「ここからどうやって可愛くしていくの?」というところ。

とりあえず塗りましょう

可愛くないのに塗っちゃっていいの? という疑問は当然なんですが、とにもかくにも塗るのは大事。

面倒だと思う人、それは間違いです……!

色ラフを最初に置くほうが、悩みに割くリソースが減って時間短縮になります!

塗ったものがこちら
(※要所に影を入れるのがポイント)

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もちろん可愛くないラフを塗っても可愛くなりません。

ここからどうするか。

気になる箇所のラフ線を消しましょう。

はい、ラフ線を消すんです。そして塗り(立体)だけを見るんです。

するとどうでしょう。

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なんか顎出てますよね!?

ラフ線があった状態だと「どこがおかしいんだろう」と思っていた箇所が、左右反転しなくてもこんな風に浮き彫りに!

これが塗りパワー。

ラフ線を消すと塗った首の影が「面」だけになり、
ゆがみがわかりやすくなる。これは凄い!

どのお絵描き講座見ても紹介してない方法ですよこれ!

輪郭がある程度決まったら、今度は髪の毛レイヤーを非表示にして目に取り掛かります。

まずは白目

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白目の形が左右で歪んでると「片方の目だけおかしい」状態になるので、
白目の形もかなり重要。

いくら片目を修正しても良くならない時は白目に原因があるかも?

左のベースを参考にしながら片目だけ描いていきます

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この時塗り箇所も微調整しながら「塗り」と一緒に線を描く意識。

目だけに数時間かける気持ちで描いています。安定しない素人が上手く描こうと思ったら「時間」が必要なのです。

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左は目じりに補助線を入れて描くのが簡単。
詳しくはこちらの記事で↓
「そのキャラデザさらに可愛くできるかもしれません! ~キャラデザ総集編~」

一度髪の毛を戻して確認してみます

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まだ可愛くない。

割と「目」だけ見れば描けてたつもりだったんですが、全体で見るとちがはぐ感があります。

ここでいじるのは目ではなく比率。
目を細かく直している場合ではありゃーせん。

雑に直した輪郭あたりからですかね。

ほっぺたの比率が目に対して狭すぎるので、目が小さく見えるんでしょう。

髪の毛を削ったり足したりで輪郭作り

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輪郭は線で描くものではない……、塗って作るもの……。 by妹尾まい
怒ると死にます。リスペクト)

まだ目が大きく見えますね。

目を小さくするんじゃなくて、今度は輪郭と髪型のほうを大きくします。

髪のバランスとディティール増

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やはり髪の毛でだいぶイメージ変わりますね。

あと気になるところは

「前髪の位置がもう少し→」「瞼だかまつ毛だかが寄りすぎている」

の2か所ですかね。

このぐらいまで来るとあとはもう細かく修正すればいいだけ。

素人絵からそれなりの可愛いお顔に仕上がりました

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恒例の比較

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記事の趣旨的にはここで「ラフが完成」したことになるので解説は終わりになります。あとは細かくベースに寄せて身体描いて線画するだけの作業なので。

こういう修正ってラフの時にしか出来ないので、絵を安定させる結論としては「ラフ(色込み)に時間かけよう!」になるんですよね。

完成

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絵の認知バイアス

^^「よーーーーし、めちゃくちゃ可愛く描けたぞ!!!」

数日後「え…………? ……………………え?(絶望)」

この現象、お絵描き始めてしばらく経った「ちょっと知識ついてきた人」が一番かかりやすいバイアスだと思います。

そう、私です。

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単純に認知バイアスというのは少ない知識からくる思い込みが原因なので、言ってしまえばバナナをりんごだと思っている状態なわけです。

やべー状態ですよね。

これを無くす方法は単純にたくさん知識をつけて「正解」とか選択肢を増やすことだと思うんですが、いつになれば無くなることやら……。

ラフと線画のギャップを無くす方法

どこか自分の絵が素人っぽくなる……~垢ぬけない絵から脱却する方法~

この記事でも触れましたが、ラフから線画にする時に
「あれ? ラフの時より可愛くなくなった」ってこと、誰しもあると思います。

これを防ぐ方法は最初から細い線で線画のように描けばいい話なんですが、
もっと言うなら色ラフの上から線画をやれば、ほぼ齟齬なしでキレイになった可愛いままの絵に仕上がります。

↓こんな感じで塗りを透過して、

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線画が描けたら塗りの透過を戻して、齟齬がないかを確かめる。

とにかく齟齬を減らしたいなら「色ラフ」は大事。これを覚えると色ラフ無しでは絵が描けない身体になってしまいますよ(色ラフに取りつかれし者)

時間をかけることの大切さ

記事を書きながらなのでタイムロスなどもあるんですが、顔だけで2~4時間は軽くかかったと思います。

これでもめちゃくちゃ順調!

絵をまったく描かない人間が1日でビシっと顔が描ければもうそれだけで喜ぶべきこと。嬉しくて小躍りするレベル。

顔を可愛くするのに数日かかる→身体描いて、線画して、仕上げは数時間。

いつもこんな感じ。\(^o^)/

時間をかければ「可愛く出来る」ということを一度経験すると、不思議なもので「自分は絵を可愛くできた経験がある」という自信から一つの絵にかける時間が増えていきます。

多分絵の上達法で一番大事なのはここで、
「今描いてる絵、なんか可愛くねぇなー」って思ってからが本番。

そこで「よしもっと可愛くしよう!」ってなるか「まあこれでいいか」と妥協するかで絵の上達や成長に大きくかかわってくると思っています。

なのでとにかく色ラフですね。

色ラフ色ラフ色ラフ色ラフ(洗脳)

まとめ

ここまで記事を読んで参考になった人は、

おそらくあんまりいないんじゃないかな……。

それでも以前記事を書いた時に、恐れ多くも「この記事が勉強になる」とツイートしてくれた方もいたので、少しでもやり方の共有ができればと思い記事にしてみました。

今回のポイントは以下の3つ。

・可愛いは細部ではなく比率
・安定しないのは細部にこだわっているのが理由かも?
・色ラフやろう!

ではではここまでお付き合いありがとうございました。

この記事で言いたかったこと

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ありがたいことにあのもこう先生も実況プレイしたゲーム「メイドさんと繋がりたい」の作者さんが代弁してくださりました。

まさに!! これが言いたかったんです。

本当にこれ!


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