表コミ授業日記番外編 私が影響を受けたあるラジオの話
こんにちは、いもいも表コミの古谷(あき)です。
表コミ授業日記番外編。
今回は授業の様子ではなく、私が影響を受けたあるラジオ番組の話です。
2021年9月7日放送の、「星野源のオールナイトニッポン」。ゲストにオードリーの若林正恭さんが来た回です。
エンタメ界で頂点を極めた2人。
お互いにシンパシーを感じつつもまだそれほど交流のなかった2人が、ラジオという場で初めてじっくり語り合ったこの回、ラジオリスナーの間ではかなりの話題を呼びました。
私がオードリー若林さんのことを好きなわけ
私はもともと、オードリー若林さんのファンでした。
テレビでなんとなく見たことある、くらいの人に若林さんがどんな方か知ってもらうには、著書『ナナメの夕暮れ』の前書きを引用するのがきっと1番だと思います。
生きづらさを抱えながら繰り返した自問自答が結実し、今では「あちこちオードリー」「激レアさんを連れてきた」など様々な番組でMCを務めている若林さん。
なによりすごいのは、相手への興味に裏打ちされた絶妙な質問とツッコミで、ゲストの内面の魅力を見事に引き出すところです。
表コミで引き出したいのも、生徒ひとりひとりの内面の魅力。
フィールドもアプローチも違えど、若林さんは自分にとってのひとつの目標だと思っています。
「イノセント」と「アメーバ」
そんな若林さんと、その若林さんと共鳴している星野源さんとのトーク。
1番心に残ったのは、「表現者としての幸せな瞬間、目指している瞬間」についての話でした。
「自分の中のイノセントな部分が出て、相手もイノセントになって、時間を忘れる。世界が一時停止されるような感覚になる。」
「バランスを取ろうとか、社会的なものとか、間違えないようにとか、そういうのが全部なくなって、自分とお客さんの間もなくなって、全部アメーバ状になる。」
「そんな瞬間が、生きてて1番の喜び」
そんな感覚があるのか。すごいな。わからない世界だな。
最初はただそう思ったのですが……よくよく考えてみると、自分はその一端を知っているような気がしました。
「アメーバ」と「Spontaneous」
3年間、毎週通っているインプロ(即興演劇)の教室。
まだまだ素人に毛が生えたようなレベルなのですが……ごく稀に、そのとき演じているシーンに没頭できることがあります。
そのときは余計な思考とか、不安とか、全部なくなっています。
そして終わって振り返ってみると、ひとつひとつアイディアを、自分と相手のどっちが出したのかすらよく覚えていない、まるで2人の間に自然とアイディアが生まれていったような感覚……ある種、自分と相手との境界があいまいになっていたような、そんな感覚になります。
あれが「アメーバ」だったとしたら。
インプロでは、いいシーンを作るために必要なのはプレイヤーが「Spontaneous」であることだと言われます。「自発的な」「自然発生的な」という意味を持つ英単語で、「子どもが夢中になって遊んでいるとき」とよく例えられます。(詳しくはこちら↓)
お二人のトークによれば、「アメーバ」になるのは自分も相手も余計なことは全部忘れて、「イノセント」になったとき。
「イノセント」と「Spontaneous」。
言葉は違えど、同じ状態のことを指しているのではないでしょうか。
音楽とお笑いというジャンルのトップを走るお二人が、インプロの目指す所とおそらく同じ状態を指して、「生きていて1番の喜び」と言っている……。
大きな驚きでした。
「アメーバ」こそ、コミュニケーションの究極なのではないか。
生徒たちにその一端でも感じてもらえたら。
このラジオを聴いて以来、そう思っています。
ちなみに、過去の表コミの授業の中で、生徒たちが最も「イノセント」だったのではないかと思う瞬間が、こちら。
もしかしたら生徒の中には、「アメーバ」を感じていた子もいるのかもしれません。
もっともっと、こんな瞬間を作っていきたいなぁと思っています。
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