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愛をこめて花束を

先日、友人にお花をもらった。

誕生日でも、何かのお祝いでもなくて、なんでもない日のお花。
私が落ち込んでいるのを知って、「元気出して。お花ってなかなかもらうことないから気分明るくなるかなと思って」と、小ぶりのかわいらしい花束を、わざわざ買ってきてくれた。

その気持ちがものすごく嬉しくて、いただいてからもう1週間が経つけれど、瓶に活けて、いつでも見られる場所に飾っている。

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もともと、お花のプレゼントってどうなのかな、ってちょっと疑問だった。プレゼントとしては定番だけど、消えものだし、そのまま放置して枯らしたら何とも言えない気持ちになるし、かといって日持ちさせようとすると世話が必要だし。もらった側を困らせちゃうんじゃないかって。

でも、もらって初めて知った。

消えものだからこそ、綺麗なうちにちゃんと楽しめるようにと、
絶対に目につく場所に飾る。
お手入れが必要だからこそ、毎日触れる。
弱ってないかな、と気を配る。

そうした時間は決して「面倒な手間」や「負担」「困ること」じゃなくて。
その度に贈り主の気持ちに再び触れて、心がほんのり温かくなる。
贅沢で素敵な時間だった。

日持ちがしないと思っていたお花だけど、気持ちの持続時間がほかのプレゼントと比べて格段に長くて、こんな気持ちになるものなんだと驚いた。

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せっかちで、すぐ効率を重視してしまうタイプの人間で、そんなふうに生きてきた。
だけど、それじゃいろんなものが指の隙間からこぼれていってしまうな、と最近痛みを持って感じたりしている。

すぐには難しいけど、少しずつ。
もう少し気持ちを緩めて、かかる手間や時間を愛して。
お花を愛でるような生き方を、2023年、身に着けたいなと思うお正月です。

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