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誰のためでもない怒り

 端的に言えば俺はいつも怒っていると言えなくもない。俺は常に「怒っていた」のだ。10代20代にかけては常に自分の中に燻りや、極端に言えばアメリカの山火事のような怒りや憤りがあった。今でもそれを完全に鎮火できてはいないのだが、かなり火の勢いは弱まったように思う。俺はいったい何を相手にあんなに腹を立ててたんだ?
 思い返してみれば、俺の怒りの根源に近いのはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだ。それまでスウィートなモータウン・サウンドばかり聴いていた俺に、社会の不均衡・不平等・不条理を教え込んだのはRATMだ。俺は怒り狂った。俺が学校で授業を受けている間にも貧困から誰かが犯罪に走り、あらゆる国はお互いを監視している。何が「自由と平和」だ。貧困国には国連から渡されたはずの支援物資すらピンハネでロクに届かず、彼らが手にできるのはどこ製かも分からないAKのコピー品だけだ。
 俺が最も怒り狂ったのは911だ。確かにアメリカはテロでツインタワーと多くの人命を失った。でもタリバーン掃討に何年かかった?何人の罪もない人が犠牲になった?あの911のテロで犠牲になったのは2763人だ。だがアフガンでの死者は民間人で3万人、死者・行方不明者・負傷者を合わせると軽く5万は超えるそうだ。
 俺はこんな世界望んではいない。俺が望むのは、天気のいい日曜日にみんながビールを飲みながらフライドチキンを齧り、しょうもない話をしながら笑い合える世界だ。
 ヴィーガンの人は何かいつもより豪華なサラダを食べててくれ。どうしてみんながそれを願ってるのにたったひとつの世界平和って目的がうまくいかないんだ?
 確かにコロナだってヤバいさ。でも人類はまだ根絶されない、されてやらない。これは怒りに任せて書いた文章だ。特に言いたいこともない。でもひとつだけ言える「マスクとコンドームは着けろよ」と。

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