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塩野義製薬の新型コロナワクチン 厚労省が国内での製造販売を承認

塩野義製薬の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省がようやく製造販売承認を決めた。塩野義製薬は2020年からずっと新型コロナウイルスに対する従来技術ベースのワクチンを開発していたが、長い間承認がなされてこなかった。

塩野義製薬のワクチンはタンパク質ベースでアジュバントを改変した従来技術ベースのワクチンである。いつも言っている通りだが、核酸ワクチンはその異常な免疫活性化故に有効性が高かったとしても免疫学的な悪影響の方が大きい。ワクチンは健康な人間に投与するものであり、有効性よりも安全性の方が重視されるべきなのだ。それをとち狂った行政が資本主義に毒された製薬企業の都合に騙されて、核酸ワクチンなどを重視した結果、既存技術のワクチンは有効性が低いとしてずっと承認しなかったのだ。

今まで承認されたワクチンは殆どが核酸ワクチンであり、一部タンパク質ワクチンもあるが脂質ナノ粒子ベースの新規技術を使ったりしている。この混乱を利用して、普通は使えないレベルの危険性を持ったモダリティをこれ幸いと市場に投入してきたのが今回の一連の製薬企業の愚行である。その中で、比較的まともなワクチンを作っていた塩野義製薬は、まだ良心的な企業だったと言えるだろう。

もちろん塩野義製薬のワクチンも完全に従来技術のみではない。過去に説明した通り、そもそも新型コロナウイルスに対してワクチン戦略というのはADEのリスクを高めるだけの愚行である。それを回避する為に強い細胞性免疫を誘導する核酸ワクチンが好都合だったのだ。塩野義製薬もADEの問題を回避する為に、通常のアジュバントではなくTh1反応を強く誘導するアジュバントを選択して使用している。開発段階では、アジュバントの選択にかなり苦労していた様だ。逆に言えば、有効性にしろ危険性にしろ、塩野義製薬のワクチンを考察する上ではアジュバントの種類や性質を知る事が重要だと言える。

いずれにしても、ワクチンが必要なケースにおいて選択肢が増えるというのは重要な事である。感染対策もしない連中は核酸ワクチンでも何でも打てばいいと思うが、きちんと感染対策をしている賢明な層は自身のリスクや体質に合わせて接種の必要性や適切なモダリティを選択できるべきなのだ。その様な当たり前の事を無視してここまで承認を遅らせた行政には呆れてものも言えない。今回承認されたワクチンは従来株に対するものであるが、今更必要かと言われると答えはNoであろう。承認を取ったからと言って市場に出回るとも思えない。塩野義製薬はこれを機にオミクロン株対応型の承認申請を進めるとしているが、それも25年冬が目標らしい。日本という国が米国の属国なのは言うまでもないのだが、この国の行政の腐敗には失望するしかない。

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