見出し画像

論文紹介:RNAワクチン接種と免疫介在性合併症の発症との関連性

以前から述べている様に、核酸ワクチンは自己免疫疾患や炎症性疾患のリスクとなり得る。今までは症例報告が多かったが、ここ最近ではコホート研究でリスクを明確に証明した研究も増えてきている。そこで、今日は下記の論文を紹介しておこう。

「The association between BNT162b2 vaccinations and incidence of immune-mediated comorbidities」
(Vaccine . 2024 May 9:S0264-410X(24)00536-X.)

論文の冒頭にもある通り、核酸ワクチン接種による長期的な副作用は依然として不明である。この研究では核酸ワクチン接種後1年間における接種と自己免疫疾患の発症との関連を検討することを目的として、包括的データベースに基づくこのレトロスペクティブコホート研究を実施し、BNT162b2ワクチン接種者と未接種者における免疫介在性合併症の発生率を比較した。また、参考として、二次コホートではSars-CoV-2感染者と非感染者を比較している。

コホートは4つの年齢群(12~17歳、18~44歳、45~64歳、65歳以上)に分けられ、FDR(False Discovery Rate)法による多重比較の補正を行っている。その結果、BNT162b2ワクチン接種後における免疫介在性合併症の有意なリスク増加は、すべての年齢層で乾癬(HR 1.41-1.69)、65歳未満の患者の大腸炎(HR 1.38-1.93)、45-64歳の患者の白斑(HR 2.82、95 %CI:1.57-5.08)、65歳以上の患者の多発筋痛リウマチ性(HR 2.12、95 %CI:1.3-3.47)で観察された。表を見る限りは、有意でない疾患についても多くの症状でリスク増加傾向にある事も分かる。これは症例報告などではない、核酸ワクチンによる明確な自己免疫疾患リスクの増加を示しており、私を含め、多くの免疫学者が危惧していたリスクが事実として顕現している事を意味している。この論文の筆者らも、今回の結果が今後様々な集団に対するワクチン接種プログラムを計画する際に、リスク・ベネフィット評価の一部として考慮されるべきであるとしている。

また、参照コホートでは、Covid-19に感染した患者では線維筋痛症(18~44歳ではHR 1.72、95%CI:1.36~2.19、45~64歳ではHR 1.71、95%CI:1.31~2.22)、甲状腺機能低下症(65歳以上ではHR 1.54、95%CI:1.15~2.07)のリスクが高かった。これもいつも言っている通りなのだが、ウイルス感染というのは大前提として自己免疫疾患のリスクである。また新型コロナウイルスについては神経系感染や神経系症状という免疫異常と同等かそれ以上のリスクが存在する。健康を第一に考えるなら、感染対策を徹底し、核酸ワクチンは打たないというのが最善である事は理論的にも明確な事実であり、この論文からだけでも容易に到達できる結論である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?