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ブレーメンの音楽隊が生まれたブレーメン

ここは、誰もが知っている童話の舞台。動物たちが、音楽隊を作ろうとした場所です。グリム兄弟が書いた童話「ブレーメンの音楽隊」は、4匹の動物、ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリが登場します。どの動物も年老いて働けなくなると、飼い主から用無しと殺される運命に。それぞれ脱出に成功した動物たちは、運命の出会いを果たし、音楽隊を形成する・・・

ライン川からエルベ川へ、北海から南ドイツへ、交易の十字路に位置しているブレーメンは、北部ドイツを代表する都市の一つです。交易の要衝として重要視されたブレーメンは、787年カール大帝により司教座都市に指定され、いよいよ歴史の舞台に登場します。その後、お隣の都市ハンブルクが845年にヴァイキングに攻められると、ブレーメンは大司教区に昇格します。

ブレーメンが本格的に繁栄し始めるのは、1260年都市ハンザが形成され、1358年にハンザ同盟に加盟してから。ブレーメンの中心部、マルクト広場を中心に現在の「ブレーメン」が形成され始めます。

総面積約3500㎡のマルクト広場を中心に、都市行政に必要な多くの建物が建てられます。議会建物、銀行、聖堂等々。その代表的な建物が、ブレーメン市庁舎

マルクト広場と市庁舎

15世紀初期にレンガ造りのゴシック様式で建てられ、17世紀にルネサンス様式に改築された市庁舎は、ハンザ同盟時代の繁栄を自慢するかのように、壮麗で優雅な造りをなしています。まるで、美術館のように。

「ローラント像」

その市庁舎の前に、人際目立つように建てられている高さ5.5mの銅像があります。「ローラント像」。今年で617歳を迎える銅像です。今のスペインやポルトガルがあるイベリア半島でイスラム教徒から土地を奪還するために戦っていたレコンキスタ初期の時代の戦い、「ロンスヴォーの戦い」を描いた物語「ローランの歌」に登場する人物です。1404年から今日まで、雨にも風にもビクともせず、立ち続けている「ローラント像」。

「ローラント像」と同じく、ブレーメンの歴史を見守り続けている聖堂があります。火災や第二次世界大戦により、何度も焼失するが、何度も建て直されてきた「聖ペトリ大聖堂」。 

中世以来、北部ドイツの重要文化都市の中心として、世界文化遺産に2004年登録されました。

ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像

ドイツの地図

最後にもう一度「ブレーメンの音楽隊」に戻りましょう。
苦難と逆境を乗り越え、新たな人生を送る動物たちから、どんな難関も乗り越えられるという、教訓を教えてくれる童話です。

また、飼い主に忠誠を尽くすも、年老いて利用価値が無くなれば、消耗品のように捨てられる姿から、当時の労働者に対する支配階級への批判をえがいている作品でもあります。

苦しんだり迷ったり、つらい時には、「ブレーメンの音楽隊」ブレーメンから

勇気をもらえそうですね!

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