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都市と自己批判と性と苦しみといろいろ〜

だいたい1ヶ月(2ヶ月くらいになるときもある)に1回のペースでまつ毛パーマに通っている。これをやっておくと眉毛だけ描いた状態で外に出てもパッと見化粧をしている風に見えるようになるので大変楽でいい。
まつ毛パーマのサロンに行くと毎回思うことがあるのだが、結構な確率でいびきをかいて寝ている人がいる。都市の中で、宿泊を目的とした施設とは別に男がいびきをかいて寝て許される空間はたくさんあるだろう。でも、女がいびきをかいて寝ていても許される空間ってあんまりないんじゃないだろうか。まつ毛が上がっているとテンションが上がることもまあそうだけど、「女がいびきをかいて寝ていても許される空間が都市に存在している」事実が私を安心させ、私の生を肯定された気持ちになり、まつ毛パーマサロンに行くとすごく元気が出る。

メンタルヘルスの調子が悪い。いまおれを苦しめるのは異性愛規範と、家父長制と、挙げればキリがないのだがそれらにまつわる自己否定である。
おれのことを縛りつけ、苦しめる規範について考えているとき頭の中で架空の自己責任論者が、架空の異性愛至上主義者が、架空の世間がおれのことを激しく否定して謗ってくる。実態よりも普通にこっちの方が苦しい。自己責任論を、異性愛至上主義をいちばん内面化しておれのことを苦しめているのは他の誰でもないおれ自身である。

夜毎、入浴して鏡に写る自分の裸を見るたびに自分の身体のかたちが気に入らないなーと思う。全体的に肉がつきにくく骨っぽくて曲線がなくて性を感じないところは悪くないけど、腰や太ももの周りだけ奇妙に肉がついており、気味が悪い。BMIが16になって、生理が止まっていたときもここの肉だけはなくならなかった。

最近はなりたい女の子や憧れの女の子とかも全然いなくて、服を買うときはむしろ男の子たちからアイデアを得ることが多い。夏に男の子たちのライブを観に行った。ステージの上を走り回ったりオーバーサイズの衣装の中で身体が泳ぐみたいに踊る男の子たちを見てあんな身体だったらどんなにいいだろうなあと思った。男の子の骨や筋肉を手に入れて男の子の骨で好きな服を着て、男の子の筋肉で世界を走り回ってみたかった。今の自分の骨、身体ではなにもかもが足りていない。
醜形恐怖の弊害で、大浴場に人と一緒に入ることができない。旅行などで必要があるときは、かならず別行動をしてもらうことにしている。1人では入れる。顔も名前も服を着た姿も知らない他人の裸体は裸体Aでしかないし、向こうにとってもおそらく私の裸体は裸体Aだろうから、なんか大丈夫だ。コミュニケーションが怖くて、匿名でないと安心できない。

最近は、STUTSの『夜を使いはたして feat.PUNPEE』ばかり聴いている。私の好きなアイドルの男の子は、いつもいい音楽を教えてくれてああこの子のことを好きになってよかった。と思うし、羨ましいなあと思う。

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