正しさとうたの合間に

「正しさとうたの合間に」

正しさとうたの合間には
なにを求めようね
ちぎりパンではおいしすぎるし
間違えさがしは味気ないもんね
総理大臣やったら少しはそれらしいけど
しっかりやってくれるとは思えへんでしょう
こんなご時世やから
やっぱりサイゼリアかなあ
逆に、タバコをくゆらす悪い女はどうかな
彼女ならきっと差別や不正に怒ってくれるし
弱さと強さの両方に正直でいると思うのね
ただあまりにも偏見に満ちているというなら
もうすこし考える
目が覚めたらのしかかっている太った猫なら
もうすこしましな答えをもっているかも

正しさとうたの合間には
地獄が流れるってお父さんは言うけど
ビル・マーレイやルイヴィトンや、小太りの妖精がちょうどよかった時代とはちがう
もうすこし明るいはずやのよ
7才の子供の思い描く未来のように
(大人の思い込む12才の未来では明るすぎるし)
モネの描く積みわらのように
(ルノワールやナビ派じゃないねん)
オラファーエリアソンのキッチンのように
(でも、都現美の展覧会は違ったな)

手に手を取り合うことも
のるかそるかに付き合うことも
合間にいれるにはちょっと体力がいるから
うざいとかきもいとかいうのも嫌
あいつはわかってないって笑うのも嫌
でも、それはわたしのわがままかもしれないな
正しさとうたの合間に
本当に求められるのは
そういうものかも
きれいな女の子を無理やり脱がす映像や
テロリストや、ハッシュタグなのかも
小池百合子の経歴や、不倫報道や、好きじゃない男に言い寄られて、傷つけないようにふることなのかも

でももしそうなら
すこしだけ答えを先延ばしにしたいな
正しさとうたの合間に
ちょうどいいのが
たとえば常緑樹とか、仕事終わりに食べる焼きしいたけとかね、レッドアイズブラックドラゴンがちょうどいい世界になるように
あるいはそう、ポリアモリーのメロドラマが、取り立てて珍しくもなく、
ちょうどいい世界になるように
わたしはもうすこしわがままでいたいな