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FPS初心者がモザンビークを捨てるまで【初心者時代振り返り】 #5

前回からの続き。

自分が初心者だった頃、どんなことを思い、どうやってダイヤまで到達したか、エッセイ風に話していくシリーズ第5弾。

今回がシリーズ最終回と思ったのだが、異様に長くなってしまったのでもう少し続きます。

今回と次回で、シーズン8でダイヤⅣに到達するまでをお話していきたいと思う。
相変わらず技術的なことはあまり話せないし、あくまでダイヤの底辺にタッチしただけで、適正はプラチナ帯であることをご理解いただきたい。


1. 気が付けばダイヤの底が見えてきた(S6,7)

APEXはゲーム全体の設計として、3ヶ月毎のシーズン制が採用されている。

オンラインゲームのシーズン制については、また後日記事に所感をまとめるとして、この「3ヶ月」という期間はランクマッチの開催期間とも連動している。新たな上位ティアを目指すなら、3ヶ月以内に所定のポイントを獲得しなければならないのだ。

ゴールドからプラチナへは合計2000RP、プラチナからダイヤまではさらに2400RPが必要となり、これがほどほどにキツい。

ティアがひとつ上がるとプレイヤーのレベルは格段にアップするし、参加費も高くなるためなかなかポイントが盛れない。

しかしやってみると解ると思うが、この「ひとつ上のティアに上がる」ために必要な時間は、3ヶ月くらいが長すぎず短すぎずちょうどいいのである。
よく新シーズン数日前に、ようやくティアが上がったという話を耳にするが、これが何よりの証拠だ。

自分もシーズン6と7の終了までに、目標通りプラチナⅣに達した。
しかしふと、シーズン7終了時に気がついたことがある。

満足感がない。達成感がない。

初めてプラチナに到達した時、身体中をアドレナリンが駆け巡ったあの感覚はまるでなかった。

あれは「餓え」であったと、今でこそ思う。

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まるで作中に登場するオクタンのようだった。いつしかゴールド帯を踏破することが当たり前になった自分には、刺激が足りなくなってしまったのだ。

もっと強い刺激が欲しい。
あの時の満ち足りた気持ちをもう一度味わいたい。

シルバーⅡから始まるシーズン8。自分はいつしかダイヤⅣの底を見据えていた。


2.  やっぱりソロは難しい(S8)

そしてシーズン8開幕直後、マップ改変の理解なども兼ねて1週間ほど様子を見たのち、気合十分、いよいよランクマッチに挑み始めた。

シルバー帯を一瞬で蹴散らし、ゴールド帯も駆け上がってたどり着いたプラチナⅣ。
1~2試合戦ってみただけで確信した。その強さはゴールド帯とは確実に一線を画している。

プラチナ帯では敵の動きに甘えがなく、遮蔽物に身を隠すことが徹底され始めるため、交戦していても敵の姿が見える時間が極端に少ない。
そもそも、交戦が始まる前から「ポジション取り」という銃撃を伴わない戦いが常に生じており、唐突に敵が視界に現れることがあってはならない。

少ないチャンスでいかにポイントを稼ぐかという話になるのだが、そもそも、より精確なフォーカス、遮蔽から敵を追い出す方法、ダウンを取って突っ込むタイミング、勝利後の漁夫警戒などなど……

「いや、考えること多くない……?」

これはプラチナ帯初挑戦だった自分にとって、非常に大きなハードルであった。
最終ラウンドが終了するまでのおよそ20分間、常に移動ルートを確認し、敵と戦うか戦わないかを考え、時には味方を見捨ててまで生存する。

オンラインゲームなら当たり前かもしれない(そんな文化はなくなって欲しい)が、不利を悟って逃げ出すと、先にダウンした味方から罵詈雑言が飛んできたりもする。

「どうして戦わないんだ!」
「フォローに来るのが遅すぎる!」
「何でやられた?意味がわからん」

正直、これが1番つらかった。一瞬でゲームが楽しくなくなるからだ。
しかし自分はそんなとき、ひとことだけチャットを返すようにしている。

「We need RP. (俺たちにはポイントが必要だ)」

実は、こう発言してさらに言葉が返ってきたことはない。
誰しも、自分がいけると思ったタイミングで戦いを仕掛け、その結果負けたのならば腹が立つだろう。思い通りに味方のカバーがなかったとしたら尚更だ。

しかし、野良同士3人の目的は、ランクマッチに参加している以上、もともと一致しているはずなのだ。
「ランクを上げるためにポイントが欲しい」。
共通見解の提示は人を冷静にさせる。

仮に自分がファーストダウンしてしまい、このままでは部隊全滅が目に見えている場合、必ず「run(逃げろ!)」と伝えるようにしている。

逃げることは諦めることではないのだ。

……とはいえ、そう甘いものではなく、プラチナⅣからⅢに上がるまで、今まで経験したことのない伸び悩みを体験した。
何度挑戦しても味方と息が合わず、ポイントをプラスにすることができなかったのである。

仮に10ポイント盛れたとしても、次の試合ではそれを上回るマイナスが生じ、収支計算は常に赤字だった。そんな時、スプラトゥーン時代からのフレンドが救いの手を差し伸べてくれた。

「うちの友達とやらん?」

ここに来て「パーティーを組んでのランクマッチ」を経験することになるのだが、これが初ダイヤⅣ到達のきっかけにして、後のほろ苦い経験につながるのだった。

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