【NUMBER GIRL】茹だるような夏がはじまる。

ナンバーガールが再解散してから半年が経つ。

つい最近、YouTubeに解散直前のアリーナライブの様子がアップロードされていて、最近はそれを貪るように聴き込んでいる。

ナンバーガールといえばライブ音源、だと思うのは私だけだろうか。

1回目の解散直前に北海道で行われたラストライブ、最後に披露された「Omoide in my head」の狂気ぶりたるや、初めて聴いた時は身の毛もよだつような心持ちだったのを覚えている。

最近、急に夏らしい天気になってきて、体はすでに悲鳴をあげている。

夏は嫌いだ。暑いし、汗をかくから体が濡れて不快だし、湿気でカビは生えるし、生ゴミはすぐに臭くなる。お金がなければクーラーもかけられない。命を金で買う季節がやってきたのである。

それでも、カンカン照りの猛暑日に、汗をだくだくとかきながら、アスファルトから揺らめく陽炎を見て、

「あー、今年もナンバーガールの季節が来たんだな」

と、思えるのは悪くない。自分がロックを好きで良かったと思う瞬間だ。

1度目の解散前に行われたナンバーガールのライブ音源は、メンバーの若さゆえかどれも鋭く尖っていて、当時の若者が持つ鬱屈とした気持ちの代弁者のようであった。

しかし、今回公開された音源を聴いて、尖りつつも円熟味を増した音になったなと感じたことに驚きを得た。

4人それぞれの音はいずれも尖っていて鋭いのに、4人の音が合わさると途端柔らかく、どこか儚さを感じさせる音に変貌するのはなぜなのだろう。

真夏の都会を歩きながらナンバーガールを聴くと、大人になってしまったなーと、自分の青春時代を思い出して、多少の吐き気を覚えつつ、苦虫を噛み潰したように顔が歪む。

今年の夏もナンバーガールといっしょに乗り切っていこうと思いつつ、クーラーの効いた部屋でのんべんだらりと過ごしてしまう堕落した大人になってしまいました。

https://youtu.be/o7rZ_JB-sXM

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