【雑記】エナジードリンク,二郎系,毒,インターネット

 今現在,エナジードリンクを飲んでいる。キーバという名のエナジードリンク。これをただただ惰性で飲んでいる。「これ,おいしー」みたいな感覚で。ジュース感覚といったら伝わるだろう。いや,嘘をついた。違う。1日にとるべき栄養素を摂取できるものとしてキーバを捉えている節がある。あまり体に良くないかも。わからない。
 ただ,エナジーエナジーしたエナジーを期待してエナジードリンクを摂取しているかと言われたら,まったくもってそんなことはない。別にそこまでハードな現実を生きているわけではない。現状はその逆で,まるでバケツでうすめた水彩絵の具によって描かれた風景を流れていて,要するとエナジーとはほど遠い生活を送っている。そんな人間がエナジードリンクを飲んでいいのか。べつに飲んでいいか。大丈夫だね。

 巷では,エナジードリンクは体に悪いと言われることが多々ある。三回中二回の割合で言われる。それほどまでに,世間ではエナジードリンクと不健康という概念は結びついているそうな。
 そういえば,知り合いに二郎系ラーメンを好むやつがいる。二郎系ラーメン (通称,二郎系) を知らない人にちょっとばかり説明をすると,麺はめっちゃ太く,タワーのようにもやしを積み,冒涜的なまでに背脂セアブラとニンニクを投入したものが二郎系である。なお注文する際には呪文を唱えるのが通例とされ,詠唱に成功すると,ラーメンの成れの果てが現れる。嘘である。いや嘘ではない。少しばかり誇張したが,まぁ,これが二郎系である。これでなんとなくわかってもらえたら嬉しい。要は「私,食べたら体に悪いですよ」と,もう見た目で非常にわかりやすく示してくれているのが二郎系ラーメンであり,知り合いはそれを好んで喜んで食べる。毒を食らうのが知り合いの趣味である。体を汚している。良い趣味をしている。
 ここまで読むと,もしかしたら私が二郎系ラーメンを悪いものとして扱い,それをこき下ろしているというように感じるかもしれない。というか,そういう文脈になっているからそう感じるのが自然だろう。私の二郎系に対する胸の内を適切に記述するなら,別に二郎系を嫌悪していることはない。そこは誤解なきよう。ピカレスク好きだし (こういっちゃうと二郎系を悪者扱いしてることになるか。訂正)。
 二郎系を取り上げて話したかったのは,体に悪い (と思われている) もので体を毒する行いの如何である。私も,周りから見たらエナジードリンクで体を毒しているように見えるだろう。エナジードリンクは別に飲まなくていいもの,むしろ体に悪いとすら噂されるものなのに,それを飲む自分を肯定するかの如く,むしろ,体に悪いものを摂取することをひとつの喜びとするかの如く,飲んでいる。知り合いもこんな気持ちで二郎系を食べているのだろうか。そんなことないか。

 それは悪いものと理解しておきながら,それを摂取する行為そのことに悦びを見出す悪癖は,食べ物に限らず,至るとこにみられる。近年で言えば,インターネットだってそうだろう。インターネットはすでに汚れてしまった。SNSは特にひどい。もうみんな,変なことしかいってない。余裕がない。まるで転がっていくボールみたい。そんな毒電波,触れない方が良いことはみんな知っている (はずな) のにやめられない。
 でもそういう悪癖はやっぱり良くないよ。Youtubeのコメント欄なんかも,泥水を泥水であらうような不毛な諍いが毎秒起きていて,それを陰で楽しむ輩も一定数存在して,まるでコメディ映画かなにかのよう。お手製自動パンとサーカス。やめたほうがいいよ。インターネット。
 汚れてしまった世界を好まないならば別の場所へ逃げよう。インターネットからこの現実へ逃避しよう。なんかへんな話だね。しょうがないね。

 でも本当は,みんな汚れたいのかもしれない。子供が泥遊びを笑顔で楽しんでいるみたいな。その頃の心がくすぶっているのかもしれない。わからないけど。なんかつかれた。エナジードリンクの効果切れかもしれない。わからないけど。


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