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読書記録

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感想文を書くのはなかなか苦手なのですが極力書くようにしています。
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2019年12月の記事一覧

「維摩経」をできるだけシンプルにまとめました

日本の仏教のお経といえば般若心経や法華経などが有名ですが、この「維摩経」(ゆいまきょう)は今一つ人気はありません。 しかし、仏教伝来間もない頃から広く親しまれ、聖徳太子が著した「三経義疏」の中の一つでもある立派な経典なのです。 内容は戯曲のようなストーリー仕立てになっているのですが、内容を理解するのはなかなか難しいのです。(個人的に) ただ、前半の釈迦の弟子を在家の維摩がやりこめるという件は「なんだこの話は?」と、誰でも興味をそそるのではないでしょうか。普通は釈迦の弟子のあ

「いきなりはじめる仏教生活」(感想)仏教とは自己の点検から始まる

ライトな仏教書は本屋さんにたくさん並んでいますよね。確かに手に取りやすく、読みやすい。でも、何冊か読んでいるとなんだか同じように思えてきて自分の成長の無さを実感したり・・・(汗) 専門的な本もいいのですが、この本は仏教、宗教とはなんぞや?という疑問を思想・哲学的に書かれています。 こういうアプローチ、考えの仏教本に初めて会ったのですが、僕は随所に唸ってしまうことになりハマってしまいました。 実は約1年ぐらい前に図書館で出会った本で、その後購入したのですが、まとめるまでに時間が

高い道徳心を貫いてビジネス道を往く姿。経営者のバイブルであってほしい書。「現代語訳 論語と算盤」(渋沢栄一・守屋淳)

今年4月、2024年に日本の紙幣デザインが刷新されるニュースが流れた。 一万円札の顔になる渋沢栄一は名前は聞いたことがある。「論語と算盤」という本も聞いたことがあるが読んだことは無い。 そういえば、昨年の今頃か、中日ドラゴンズドラフト1位の根尾昴選手の愛読書にこの「論語と算盤」が取り上げられて話題になっていた。 先日本屋さんでみかけたこの本、何気なくパラパラと読んだら現代語訳ということもあって読みやすいし面白そうで買ってみた。 何年か前に「論語」を勉強しようと何冊か図書館

とんでもない設定!ヤクザと出版社経営。~文庫「任侠書房」(今野敏)~

タイトルは「任侠書房」・・・ なんだこの極道と本の関係は? 近頃本屋をうろうろしていると文庫コーナーや映画化コーナーなどで“これ系”のシリーズが並んでいる。 どうやらこの任侠シリーズの「任侠学園」ってのが映画化(実写)されているようだ。 現在4作発売されているが、映画化された「任侠学園」を選ぶか、やはり順番通り一作目から読むか・・ と悩んだ結果1作目の「任侠書房」を選んだのであります。 内容は今どき珍しく?義理と人情の任侠道をわきまえたヤクザが、破産寸前の出版社経営を引