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【断髪小説】授業中に断髪(1)はじまり

チョキ・・・チョキ・・・。

ここはとある美容室・・・。
ではなくて、今はとある高等学校の授業中だ。

授業中になぜハサミの音が?と思うだろうが、僕、佐藤 大輔(さとう だいすけ)は授業中に前の席に座っている白石 亜美(しらいし あみ)の髪の毛を切っている。

おい!それはあかんやろ!
って、思うよね。僕も最初は思った。

だけど、何故か彼女にはバレない。いや?バレているのかもしれない。だが、今のところ、バレていない事になっている。

白石 亜美(しらいし あみ)は腰まで伸びた黒髪のロングヘアー、大きな瞳で、セーラー服を着ている。ほっそりとした今にも折れそうな腕。キュッと引き締まったクビレたお腹、大人しくて優等生だ。

そんな白石さんは僕の憧れだ。

話は戻るが、今は授業中。なぜ白石さんの髪の毛を切っているかと言うと、一言に言うと切りたいからだ。

僕の話をしよう。僕は小学生の頃から女性の髪の毛を切るのが好きだった。それは実家が美容室をしている事と関係があると、僕は思っている。
最初はただ実家の美容室に来る女性がバッサリと髪の毛を断髪して、綺麗になる姿、いわゆるイメチェンにトキメイていた。

幾度となくそんな女性の髪型のビフォーアフターを目にした僕は、いつのまにか自分でも切ってみたい。そう思うようになった。

まだ高校生の僕には、女性の髪の毛を切るための手段がない。そこで、いつか髪の毛を切るタイミングがあるかもしれないと思い、実家から美容ハサミを学生カバンに忍ばせておくようになっていた。

この美容バサミを使う日が相当くもない今日という日だということに僕自身も驚きを隠せない。

僕の席は一番うしろの席、そして後ろの列の他の生徒達は皆寝ている。

そして僕の前には白石さんがいて、幸いにもその列の席の人達は流行病のヘアフォールウイルスとやらに感染したらしく、学校を休んでいる。

ヘアフォールウィルスに関してはまだ未知のウィルスらしく、政府からは対策案も出ておらず、感知するまでは学校を休むように言われている。

と、こんな具合に、なぜか白石さんの髪の毛を無断で切るには丁度いいタイミングが今来ている。

だから僕は長年の思いを込めて、白石さんの後ろ髪を美容ハサミでカットしているところなのだ。

当の白石さんは、勉強に集中しており、全く後ろには気づいていない様子。
白石さんの艶のある長い黒髪の毛先を左手で持ち、右手で美容ハサミを持ち、そっとハサミを髪の毛に忍ばせてハサミを閉じる。

ジョキッ!

静かな教室中に断髪音が響き渡ったが、先生、生徒、白石さんまでもが無反応でおそらく気づかれていない。

それはそうだ。だれも授業中に女性の髪の毛、しかも美人でクラスのマドンナ的な存在の白石さんの髪の毛がいま切られている最中だという事にだれが気づくであろうか?

そんな状況を逆手に取って、僕は白石さんの髪の毛を攻略していく!
まだ、毛先の部分を軽く切っただけなので、最悪今の段階では白石さん自身も気づかないだろう。

なので、まだ引き返すことが出来る。

が、僕の心は引き返すことが出来ない状態まで興奮していた。

初めて切った女性の髪の毛は、何て表現したら言いかわからないくらいに僕の右手に微弱で快楽のある振動を伝えてくれている。

これが髪の毛を切ったときの感覚なんだ。と、関心と興奮しながらも、断髪音についても意外だった。

普段美容室で聞き慣れている音が白石産の髪の毛を切った際に発せられると思っていたものの、それとは全く異なる綺麗な心地よい響きのする音が僕の脳裏に直接伝わってきたのだ。

たったの1切り。たったの1切りしかしてないのに、僕の脳みそ、感覚が非常に敏感に反応している。

これはやめられないと思い、更に白石さんの髪の毛にハサミを忍ばせて、先ほどカットした長さへと横一列に切りそろえていった。

ジョキッ!

ジョキッ!

ジョキッ!

ジョキッ!

教室の床に短い、切られた髪の毛が落ちている。
僕はシマッた!と思った。

後処理のことは何も考えていなかったのだ。
髪は切れば白石さんから離れて、床に落ちる。
当たり前のことだ。万有引力の法則。アイザック・ニュートンが発見したではないか?

髪を切れば床に落ちる。なんて馬鹿だったんだ僕は!
どう考えても切られた髪を見たら白石さんは気づくだろう。気づかれたらどうなる?

・・・うん。もう僕の高校生活は終わりに近づくだろう。

しかし、それは奇妙にも、髪の毛が床に落ちている事は気づかれずにその日をやり過ごせたのである。



つづく・・・。

あとがき

今回から、短編小説をいくつか投稿していこうと思ってます。
しかも、短編小説を更に細かく区切って投稿しようと思います。
というのも、一気に書こうとすると、終わらない可能性が大きいからです。

実は、結構前から長編小説を書いていたりもするのですが、途中でとまってしまっているんです。
そして、途中で止まると、なかなか書き始めるのって難しいので、細かく区切って投稿して、気づいたら長編小説になっていた!を狙おうと思っているのと、あとは途中でもこうやって公開することによってモチベーションを保てたら良いなと思いこの形にしました。

ハートマーク押して頂けたら励みになりますし、続きも書くモチベーションになると思います。ハートマークまってます!w
あと、続きが気になる方はフォローもよろしくお願いします。

あと、同じく断髪小説?イメチェン小説?ジャンルがよくわからないですが、を、書いている人からフォローされたら、フォロー返しして作品読ませていただく事もあると思いますので、ハートマーク、フォローもお忘れなく。

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