ほのか

小雨の下に綻ぶ灰に焚しぐれ
覆い被さる自らの灰
消しにかからない雨
途絶えない火
葉の滴も灰に滲み
時雨の下で湿気ていく
重たくなる灰
明るくもあり暗くもある
雨が触れる音をたてても
ほのかな火
晒したまま潰えてしまえば
火であった事も忘れて
ただ冷たく流されそれだけの事
小雨の下に綻ぶ灰に焚しぐれ
手をかざす事もしないでいて
種火に雨が触れる音が聴こえていて
綻ぶ灰を眺めていて


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