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カラー漫画の話とか、水彩の話とか

東京は桜が咲きはじめてます。
ついこんな絵を描きたくなってしまいました。


(↓飛鳥に感化されて青もブラッシュアップ中👨‍🎨)

毎日4コマ_210311

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変わりつつある漫画のスタンダード

ところで最近、自分の中でカラーイラスト熱が再来してます。

というのも、もう中国・韓国をはじめ、世界的に縦スクロールでオールカラーの漫画が主流になってきているという話を聞いて。日本でそれがどのくらい浸透するかは今のところわからないし、そもそもスマホ自体がいつまで存在しているのかも、また大きなゲームチェンジが来るのかもわからないんだけども。

僕はもともと、カラーで漫画を描きたかった人なんですよね。先日公開しましたが最初に描いた漫画もこの通りオールカラー。

連載やコミック化にカラーは向いてない(たしかにカラー作業は大変;)ということで、涙を飲んでECHOES以降はモノクロで漫画を描いてきたのだけど、縦スクオールカラーの話を聞いて、そうか、そういう道もあるのか…と魅力を感じている今です。そっちのほうが、自分の強みを活かせるのかも。

じゃあまたオールカラーで漫画を描くとしたら、どんなカラーリングがしたい?という観点から今日はアレコレ書いてみます。超個人の見解です。需要は知りません!

バンド・デシネの色のちょうど良さ

最初から答えを言ってしまいますが、カラーリングならバンド・デシネ(フランスの漫画のこと)が僕にとっては心地よく感じます。↑のサルヴァドールも、けっこうバンド・デシネ作品のカラーリングの影響を受けてました。

一方でアメコミの絵のカラーリングは原色バキバキ、すべてが鮮明に描き込まれていて…物語に集中してもらうための絵としては最適じゃない気がします(個人の見解です)。絵はすごいんですが、胸焼けしてしまうんですよね…。

一口にバンド・デシネといっても色んな作風があるんですが、こんな感じに優しめの色調の絵が多くて、シーンごとの色調の違いなんかも工夫されているので、見てて勉強になります。

特に有名なのがブラック・サッドかな。元ディズニーアニメーターの作者が描いているだけあって、キャラの描写から構図、カラーリングまでめちゃくちゃ秀逸です…。

僕は元々アナログで絵を描いていたのもあって、縦スク漫画の主流であるデジタルデジタルした絵だと落ち着かないんですよね。アナログからヒントをもらったり、色んな方面からいいところを盗みつつ、自分なりの絵を見つけていきたいと思うとります。

バンド・デシネ入門なら、ユーロマンガがおすすめ(布教)。カラーゆえにバンドデシネは1冊1冊が高くつくんですが、この本だと一冊に10作品くらい入っていて、色んな作家の絵が楽しめるので。
┗📖試し読み


🎨おすすめ水彩画家

止まらなくなってきたぜ。ついでに僕が好きな水彩画家も紹介します。こういう水彩の良さを、デジタルに活かしたいなと思っている今日のこの頃です。すべてをリアリズムに持っていくんじゃなくて、想像の余白を残したいんですよね。

笠井一男さん
水彩の風景画ではこの方の絵が一番好き。光や空気感の表現がすごくて…鮮明に描かれているわけではないのに、においまで伝わってくるような臨場感があるんですよね。漫画の背景がこんなテイストだったらかっこいいな。

Alvaro Castagnetさん
なんすかこれは…?絵に込もってるパッションがすごい。ダイナミックな筆使い。今にも動き出しそうなライブ感がたまんないですね。ウェットとドライの使い分けも完璧。メイキング動画を観たら、やっぱり描くのがめちゃくちゃ早かった 笑


かとうくみさん
この方の絵もほんとにいいです。端まで描ききらない独自の味だったり、水彩の特性をよく使いこなしているなぁ…。描きこみの省略のしかたも絶妙。湘南に住んでいる方らしく、海モチーフの絵が多かったりするのですが、海の空気感の表現がお見事。画集出してくれ。。


📖おすすめ本あれこれ

せっかく絵の話をしたので、珍しくおすすめ書籍もいくつかご紹介。

・水彩画編
先ほどご紹介した、笠井一男さんによる水彩画(風景画メイン)のHOW TO本。下塗りから仕上げまでわかりやすく網羅されてます。これでけっこう水彩の基本がわかるので、キャラクター画にもある程度転用できるんじゃないかと。水彩の技法本なら他にも永山裕子さんや色んな方が出されてますが、「この人みたいな絵が描きたい!」と思った作家さんで選ぶのが個人的に一番良いと思います。


・キャラクター編
キャラクター描写に関しては、個人的におすすめはダントツでこの本。僕が一番バイブルにしてる本かも。著者は安心と安全の元ディズニーアニメーター。感情表現において、表情だけでなくポージングがいかに大事かという話や、アクションポーズの描き方、構図に至るまでディズニーのメソッドが凝縮されてます。これ1冊網羅するだけで絵がめちゃくちゃ変わります!

・構図編
この本もイラストにもマンガにも役立つ本。その絵で何を見せたいか、感じさせたいかを構図や明暗でどう表現すればいいかがわかります。僕もけっこう忘れてるので復習しよっと…



ここから先は、前回記事に書いた講義での課題マンガのネームを一足先に公開します(縦スクロール漫画なので縦に長いです!)。

ペン入れしたらツイッターにも載せるんですが、ひとまずこっちで先に。

縦スク_本番_001

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