突然終わった不妊治療
妊娠悪阻の診断で休職中。
気持ちの整理のために記録。
「子どもがもしできなくても、きっと楽しい」
夫とそう言って始めた不妊治療は、気づけばそんな考えはすっぽり抜け落ちて2年半が過ぎ去った。
離婚が頭をよぎるほどの喧嘩も1回や2回ではなかった。
そしてそれは、本当に突然、終わった。
不妊治療の終わりが来ることをあれほどに望んでいたが、具体的にはさっぱり考えていなかった。
妊娠を実感する間もなく、いきなりの妊娠悪阻で人間らしい生活(食べる、歩く、話す…など)が送れなくなった私は、代わりに今度は生きることに必死になった。
そうこうしていたせいなのか、
不安が強い性格だからなのか、
もう妊娠判定から3ヶ月以上経過したにもかかわらず、
未だに自分が妊婦であることに困惑しているのだ。
もっといえば、自分のおなかがふっくらしてきたのをみて、あるいは濃くなる体毛をみて「変なの」と感じ、まるで自分が自分でなくなるような喪失感をおぼえる。
お腹のエコーの時、「おてて」「かわいいお顔」なんて言われるけれど、
私は「うわ…人!」みたいな感情が湧くだけで、幸せで満ち溢れるかんじとは全く違う。
私よりもよっぽど他の人の方が「生まれたら」の話を嬉しそうにする。
もちろん私だって嬉しい。しかし、どうにも気持ちが置いてけぼりなのだ。まだトイレに顔を突っ込んで泣きながら吐いていた日々の方が、記憶が鮮明なのだ。
それもこれも全て、すっきり終わらない悪阻のせいだろうか。
夫と二人でささやかなお祝いと労いの会をひらけたら、あるいは感じ始めた胎動が、強くなったら何か変わるのだろうか。
自分なりに妊娠をどんな風に受け入れていくのか、気持ちの変化を追ってみたいと思う。
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