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感慨深い

えーーーー‼︎

元プロレスラーの
タイガー・ジェット・シンさん旭日双光章受章

4月29日の新聞記事を読んで驚いた。
だってだって、あのタイガー・ジェット・シンだよ。ターバン姿でサーベルを振り下ろし、「インドの狂虎」との異名を持つ悪役レスラー、反則技しまくり、場外乱闘お手のものの、あのタイガーが⁇

祖父の影響で(いやチャンネル主導権の強かった祖父のせい?)幼少期プロレスを強制観戦していた。お陰でかどうか分からないが祖父推しの悪役レスラーが私は大好きだ。

聴覚障害のあった祖父。
唯一の楽しみはテレビで格闘技を観戦することだった。彼の娯楽は相撲やプロレス観戦。いつも楽しそうに歓声を上げて応援していたっけ。

しかし、孫の私にとって祖父はテレビチャンネル争いの最も大きな敵であった。
相撲の場所がある奇数月は夕方のアニメが見られず悲しかった。それに加え、夜8時台のプロレス放送はイヤでイヤで仕方がなった。

当時一台しかなかったテレビ。それが祖父の独占となる。今ならアプリで、または録画で見られるから心配はないだろう。がそんなもん無かった当時、見られない私にとっては死活問題。お気に入りのドラマの続きが見られない。明日の友達との話題に入れない。ぐるぐるぐるぐる不満が渦巻く。

しかし、そんな私の事情など一切お構いなしの祖父。さぁ、一緒にプロレス見るぞとばかりに私を誘ってくる。はーあ、イヤイヤ並んでみていたら、横に座って観戦する私に祖父なりに解説を付けてくれた。特に悪役レスラーが出てきて、卑怯な技を出し、流血しようものなら祖父の興奮も最高潮。奇声を上げて喜ぶ祖父に、いつの間にか私も感化され、悪役が出てくるだけで血湧き肉踊る…ようになっていた。

祖父は全日本プロレスのジャイアント馬場さん、ジャンボ鶴田さんよりも新日本プロレスのアントニオ猪木さんが好きだった。
悪役レスラーも豊富だったからかな。
アブトーラ・ザ・ブッチャーや、アンドレア・ザ・ジャイアント、なかでもタイガー・ジェット・シンは格別。異常に好きだった。入場からチェーンを振り回し、サーベルも振り下ろし反則三昧。否応なしに注目を集め、興奮させるんだもの。

祖父と私はタイガー登場で最高潮に興奮し、立ち上がり叫んだものだ。

そんな悪役中の悪役が旭日双光章受章だなんて。ただただ驚きしかない。

「祖父よ、あなたのヒーロー“推し“は齢80にして日本政府から表彰される人になったよ」

なんだかわからないけれど、
ものすごく感慨深い。
エンターテナーだったタイガー。
私たちを楽しませてくれて本当にありがとう。


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