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好きだ、

そうそう。僕は映画が好きでした。高校生のときに突如として周囲に訪れた、空前の「映画たくさんみてるやつがかっこいいブーム」に乗っかって、レンタルビデオ店でそれは何本もレンタルして、映画を見まくる日々を過ごしました。

1日5本見る、みたいなことをするとかっこいいと本気で思っていて、5本目を見終えた後に気持ち悪くなったりする気持ち悪い高校生でしたが、その頃に自分に課していた、「映画の感想文を書く」という当時の無目的な積み重ねが、文章で飯を食わせてもらっている現在の礎になっているもんだから、人生なにが役に立つかわからんもんです。

今年、「なら国際映画祭」に関わらせてもらうようになって、少しずつ昔を思い出しています。

そして、昨晩15年前に制作されたある映画に出会いました。知っている人がどれだけいるでしょう。『tokyo.sora』という映画を撮った石川寛監督の作品『好きだ、』。

画面の向こうでは、15年前の宮崎あおいさんや、瑛太さん、西島秀俊さんや永作博美さんが、それぞれの人生を見せてくれました。

見る人が見れば退屈でしょう、「時間の無駄」というレビューも少なからず見受けられるこの作品ですが「tokyo.sora」もそうでした、僕はこの人がつくる映画の最後の最後に救われるセリフが、好きなのでした。

歳をとると懐かしいものに惹かれます。懐かしいって安心するからなんじゃないかって、ここのところよく思います。こんなことを書きたくなるってことは、僕はやっぱり、映画が好きだったんだなぁという、昔の自分に再会してなんかむずがゆくてうれしいなって、まとまりのないくそ駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

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