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そこはいいんかい②

インド ゴアでバイクを運転中、突然頭からヘルメットがズリ落ちていくのを感じ、急ブレーキを握りました。危うくバイクごとひっくり返るところです。後ろを振り返るとヘルメットがコロンと落ちていました。後ろに誰もいなかったこと、車も走っていなかったことが不幸中の幸い。バイクを止めてヘルメットを拾い上げみてみると、ベルトがちぎれていました。そんなことある?根っこからではなくベルトの生地のところがちぎれたのです。ボロすぎるやろっと思ったものの、これで何かしらの過去のカルマが消化できたんだ、これで済んでよかった!と、ヨガキャンプ後の私はしみじみ感謝に浸ったのであります。

ヘルメットをつけずに運転している人も多い為、それ以降は私もヘルメットをせずに乗っていました。

インド最終日。
バイクの運転にもすっかり慣れた私は、ヨガスタジオから海へ爽快に走っていました。ある道を右に曲がると、するとそこには警察官が立っていました。ガーン。

見逃すのかい?引き止めるのかい?どっちなんだい?頭をよぎります。

止まれの合図。手招きされます。ちーん。

警『どっから来たん?』
私『日本です』
警『いい国やな。パスポートある?ヘルメット被らんとあかんで。』
私『ちゃいます、被ってたのに壊れました。これレンタルやから私の違います。』
警『う〜ん。免許証持ってるん?』
私『持ってます。』
警『この免許証やったら50ccまでしか運転したらあかんやん。このバイクは70ccやで。』
私『どおりでおっきいと思ったわ!私は知らずに乗ってました。』
警『うーん。これはあかんなー。』
私『ほんまに知りませんでした。私日本人です。嘘ついてません。』
警『うーん。いくら持ってるん?』
私『700ルピー。』
警『ノーヘルは罰金1000ルピーやねん。』
私『今夜日本に帰るから、現金もうこれしかありません。』
警『ほな、それでえーわ。ゆっくり運転しなさいよ。』
私『はーい。』

値引きとかあるんや。
で、バイクのccの件はいづこへ...
そっちはいいんかい。なんならそっちのほうがあかんやろ。


夜遅くの飛行機で帰国する為、夕方にはホテルに戻りました。そして、とりあえず先にバイクを返そうと男に電話をかけました。

私『ホテル戻ってきたよー。バイク返したいねんけど。』
男『5分でいくわ。』

いつも5分っていうけど15分後に来る彼。
なのにちゃんと4分後にはホテル前に立ってる私。日本にいる時よりもちゃんとしてる。
バイクはホテルから徒歩1分ほどのところにある広場に停めている為、とりあえず鍵だけ持って待ちます。

『ここ傷いってるやんけー!』とかイチャモンをつけてこないかと少し心配する私。ややこしいこと言ってきませんようにと願い待ちます。
15分後、男はブーンとやってきました。

私『バイクはあそこの広場に停めてるねん』
彼『OK.わかるわ。鍵は?』
私『はい、これ』
彼『ほな。』
ブーン。


えっうそやん。
チェックなし?大丈夫?
私やで?ブツてるかもしらんで?
そっちなん?逆に!

日本ではありえないことがありふれた世界。
それでもそれなりに、いやっ充分と幸せに生きていける。

小さなことに拘らない、心地の良い世界。
サイコー


Ogi

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