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あなたの 生きがい とはなんですか?

 頑張る若手にエール「現代の働き方のススメ」を書きます。

「耕す」
 野菜を作る場所があるからといって、単順に種をまいてもうまく育たちません。野菜の根が水や栄養を吸収し、伸びやすいように、畑に肥料を施し「耕す」ことが大事です。またその土作りは、一夜にしてできるものでもありません。手入れを繰り返し、毎年徐々に改良していく努力が必要です。

「愛のムチ」
 入社一年目の現場で教えられた働き方は、「仕事は盗むものだ。」「質問するときには3つの案を持ってきなさい。」でした。先輩方の仕事を差し置いて、若手社員のために教育で時間を割くことは会社にとって不利益であると。行動が先、文句は後と自分に言い聞かせ、行き詰った時には「悩んでいる暇があるのなら、線の一本でも引け!」と泣きながら施工図をチェックしたものです。でもそれは15年も前の自ら考え、行動するための「愛のムチ」であった話です。

「若手はどう育っていくか?」
 会社を作業所の単位を個とし、その個の集合が全体となると言い換えれば、改革の糸口は現場にあるのだと信じ、この働き方を考えます。今でこそないが、現場事務所に怒声が響くのが当たり前、所長が怒り、所員達はそれに従う。「はい」と言って、所長の思い通りに動くのが、所員達のやることだった。その指導法にも限界があります。所員達に気づく力も考える力も身につかない。生きる能力は身につかず、創造力の欠如、指示待ち人間の集団になってしまう。本来監督の仕事であった墨出しは墨出屋に変わり、図面チェックは図面屋に変わり、現場の発想力はAIにとって変わろうとしています。「建築をつくる」というのはすごくワクワクします。現場は「自分の手で何かができる」ということに魅力を感じるものです。本来、もっとクリエイティブで楽しい仕事のはずです。このまま「面白い仕事」をどんどん奪われていって、残った仕事に生きがいを感じるのでしょうか?

「効率より大事なもの」
 効率化によって本来の我々の仕事が他にとって変わっても技術屋としての価値を失わないようにしたい。現場はドライで単純なものではなく、もっと泥臭く複雑でまた、face to faceの人間関係で成り立っているところがあります。だから、人ごと感覚で、事なかれ主義ではいけない。自ら考え、問題と向き合う姿勢や諦めないファイティングスピリットと解決能力が必要だと思います。そのための道具がICTやBIMなどの先端技術なのです。

「僕らの価値」
 僕らの価値は何のか?まずは建築のつくり方を知り、教わるより自ら学び、経験として引出しを増やすべきです。簡単ではない、だからやり遂げた時に達成感と生きがいを感じるものです。時代の変化に対応する柔軟性と新しいものを取り入れようとするガッツ。それと、あふれる向上心で「耕す」ようにトライアルアンドエラーを繰り返し、悩み苦しむ事が大事です。何かした自分は、何もしなかった自分より確かに成長しています。失敗したことも引き出しに増えています。他人の失敗もプラス。問題を問題のままにしないこと。失敗を恐れるより、何もしないことを恐れたい。共に勉強し、成長しましょう。そして、自分の知らない自分を引っ張り出しましょう。前より今、今より次なのです。

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