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俳句の森を歩く

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俳人への道を歩きながら、見つけたもの、出会ったものを記録しています。
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#言葉

俳句は言葉で言葉を超える

オンライン会議ツールで、人と会話をすることが当たり前になった。時々、この人と直接会ったことあったけな、と一瞬迷うくらい、画面越しに会うことと、直接会うことが、脳内でいっしょくたになりつつある。 何が同じで、何が違うのか。 たとえば視覚。画面で見ているのは、その人の姿ではなくて、その人の姿が電子信号となったもの。それを見ている。 たとえば聴覚。その人が空気を震わせる波動を聞いているのではなくて、その人の声が電子信号となって、それが震わせる波動を聞いている。でも結局、それは

言葉のプロの教えには、俳句の極意が詰まっていた

岸田奈美さんのnoteは、ひとたび開封してしまうと止まらなくなる。その夜もごそごそ読み漁っていると、「突撃!岸田の文ごはん」に行き着いた。天才ライターの岸田奈美さんが、さらに言葉を学びに達人たちを突撃するというRPG的企画。その中で、達人たちから授けられる極意が、驚くほど俳句のそれと重なっていて、思わず書き記しておきたいと思った。 そもそも、なぜそれが驚きなのかというと、俳句は韻文(一定の韻律をもち、形式の整った文章)であって、散文(韻律や定型にとらわれない通常の文章)では