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【Steam】Firefrostで脳がバグる瞬間に出会え

これ

火炎放射器で雪と雪の召喚者たちを燃やし尽くすターンベース駒ゲー。デジタルチェス将棋。移動、リロード、撃つ、たった3つの行動ながら雪をモチーフにした仕組みと合わさって駆け引きが生まれている。

しょせん駒ゲーかと思いきや

時間制限はないので、じっくり行動を考えればクリアはたやすい。

そうはいっても、遊んでいるとミスをやらかすもの。リロードしなくていい場面でついリロードしてしまったり、移動してはいけない位置になぜだか動いてしまったり。場合によってはそれが被弾を招く。

こうして攻撃を食らって、画面が真っ赤に点滅にしたときが面白い。何が起きたのか分からなくなる。それから自然と手が動き出して「やばい!リロードしなきゃ」「やばい!撃たなきゃ!」という指令を実行しはじめる。

おかしな話だ。このゲームで攻撃を食らう瞬間というのは、リロードも撃つ必要もない瞬間のはずだから。攻撃を食らう=敵の射線上にいるわけで、真っ先にやるべきなのは移動なのだから。

脳がバグっている。

この件を考えてみた。恐らくプレイ中の自分は数手先まで思考しているのだが、攻撃を食らったという”別の思考”が割り込んでくる。イレギュラーな思考のため脳はエラーを起こす。その結果、本来やる予定だった思考を繰り返そうとするのだと思う。じっくり考えるターンベースのゲームだからこそ、急に訪れるアクシデントの影響は大きい。

プレイ中でいちばんひどかったミスは「攻撃を食らう→なぜかリロード→また攻撃を食らう→パニクって動く→別の射線に入ってまた食らう」

脳をバグらせる奴ら

「じっくり考えればクリアできるって言ったじゃん!」と思われただろうが、そこは間違いではないのだ。本当に、じっくり考えればクリアはできるしノーミスですら現実的な範囲だ。

なんといっても敵の行動ルーチンが単純で、ある程度はなんとなく進められる。だが、これが罠でもある。ルーチンが単純とはいっても、それは簡単であることを意味しない。

複数の敵が集い、攻撃、移動、プレイヤーとの位置関係は、場合によっては強烈に悩ましい盤面を作り出す。それをあらかじめ発見することは難しい。たいていは気がつけばもう困難の只中にいる。恐らくこれは意図されたものなのだろう。敵のシンプルなルーチンの裏に隠された詰みパターンは見事なものだ。

「気がついたら敵の射線が重なりあっていてどう動いても必ず被弾する」

「気がついたら移動ルートが潰されていて敵の射線上を通らざるをえない」

「気がついたら射線を避けることしかできず反撃のタイミングがない」

締め
単純なルールでも重なり合えば複雑になる。なんてことない敵の一体一体がそのうち威圧感を放ってくる。それが引き起こす混乱と、混乱そのものと出会ったことによる刺激、あるいは閃きにはかなり満足感を得られる。

470円の小粒なゲームだし、1周のプレイ時間も相応に短くはある。けどなるべく好成績をあげたいので当分は遊びたい。いろんな縛りルールも用意されていてリピート性だって申し分ない。

次こそは脳をバグらせないようにする。

おわり

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