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【海外からの確定申告について 個人事業主編】


今回は、イギリスから確定申告した経験をお伝えします。
私の置かれている状況は
・個人事業主で毎年青色申告(複式簿記の方)を行っている。
・イギリス滞在中、住民票を抜いているため、令和2年の1月1日の住所が日本国内にない。
・昨年の1月から3月まで日本に住んでいた分の収支があるので申告は必要。
(一部、 請求書と振り込みの関係でそれ以降の収支がある)
という割とニッチなものです。なので、ネットでいろいろ検索しても断片的にしか答えを得られない状況でした。

そこで、国内に住む同業者友人と実父に、わからないことを納税地の税務署(石川県金沢市)に問い合わせもらい、やっとのことで提出を済ませました。どのように行ったかは以下の通り。

1. 事業所の住所にて納税。
海外居住で自宅住所が国内にない場合、事業所の住所地にて納税が可能。事業所住所の納税地が自宅住所での納税地と同じ場合は、納税地変更届の提出は不要とのこと。
*納税地が違う場合は変更届けの提出が必要です。

2. 納税管理人の選出 および届け出
納税者が国外にいる場合、納税の時期に納税に関して国内で手続きが確実に出来るよう、納税管理人を決める必要があります。トラブルを避けるために親族にすることが勧められています。私の場合は、実父を納税管理人に選出しました。届出書は納税地に提出します。
届出書の提出は、本来は出国前に済ませる必要があるとのことですが、金沢税務署に確認したところ、確定申告書の提出と同時で良いとのことでした。

また、マイナンバーを記入する欄がありますが、海外居住の場合、マイナンバー自体が失効されているので、記載は不要です。

届出書はこちらからダウンロード
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/07.htm

3. 青色決算書および確定申告書の作成
収支内訳等の内容については、会計ソフトにていつも通りに作成。確定申告書は国税庁のホームページにて作成。決算書もこちらで作成すると、内容が確定申告書に反映されます。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
納税管理人の記載が必要なので、記載場所についてネットで確認し、住所については「建物名」の欄に納税管理人:と添えて納税管理人の住所を入力しました。納税管理人の名前については、屋号のところに書き入れました。そうすると、最後の印刷時に、住所欄等に出てきます。(金沢税務署と金沢市役所の住所を拝借しています)

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確定申告書2枚目、添付書類の土台の紙には納税管理人の氏名が出てくるところがなかったので、後で書き加えてもらいました。

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海外居住なので、マイナンバーの入力は不要です。

本人確認書類は、納税管理人のものを添付します。


4. PDFを納税管理人のところにメールにて送付
国税庁のホームページで決算書と確定申告書を作成したら、印刷のボタンを押して、印刷する代わりにPDFを作成します。私はCanonのプリンターを使っているので、印刷のウィンドーにて「PDFを作成」を選び、名前を付けて保存します。


5. 納税管理人が、郵送にて提出
実父がPDFを印刷し、納税管理人の印鑑を押印し、返信用封筒に切手を貼って同封の上、レターパックにて金沢税務署に送付。

以上にて、提出終了しました。

実は、今年のイギリス滞在を見越して、e-Tax(カード不要の方)の手続きを済ませて安心していたところ、国税庁のホームページで令和2年1月1日の住所が国内にないため記入できないところで躓き、もしかしてe-Taxできないのかもしれない、と疑問を持ったところから始まったことでした。青色申告は、遅延が損失につながるので、なんとか期限内に提出しなければならないと必死でした。そこで、いろいろな不勉強、思い違いに気付き、一つ一つ解決して提出に至りました。関わってくださった友人と父に感謝です。

父から提出が無事済んだとのメールを受け取ってほどなくして、確定申告の期間が延長されたことをニュースで知りました。もう少し決定早ければ、帰国してから提出も可能だったことでしょう。
https://www.nta.go.jp/index.htm

*マイナンバーへの補足。マイナンバーは、作成時に居住地に関連して作られています。海外に転居する際、もし住民票を抜く場合は、マイナンバーカードを地方自治体に返却します。ただし、一度振り当てられたナンバーは一生涯続き、帰国した際に住民票を作成すれば、同じナンバーでマイナンバーカードが作成されるそうです。尚、海外転居の際に、必ず住民票を抜かなければならないわけではありませんので、状況に応じて対処すれば良いと思います。


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