見出し画像

心の食べ物 その1(後編) 【息子への手紙】

中編より


その年、私はPTAの会長だったので、卒業式で祝辞を述べた。

皆さん、卒業おめでとう! 皆さんは鈴木先生、三好先生という素晴らしい先生に会えて幸せでしたね。先生に認められて随分と成長できた、と思います。卒業するに当たり、皆さんが成功し、幸せになる為に必要な二つの言葉を贈ります。

一つ目は、鈴木先生のように、自分を認めてくれた人に心の底から感謝することです。

二つ目は、自分が人を認めてあげられる人間になることです。
「感謝する心」を持っていると、人から力を貸して頂けるのです。

作家の三浦綾子さんが言っています。寝たきりの母を看病しています、母が「有り難うね」と言ってくれるだけで看病が喜びに変わりました。その内、口がきけなくなりましたが「目で、有り難う!」と言ってくれるので、私は喜んで看病することができました、と。

人間は凄いですね、目の動きだけで人を自分の為に動かすことができるのです。
「感謝する心」はそれほど凄い力を持っているのです。
人は自分一人では生きられません。ですから、自分も人から助けてもらった分、人を認めることで、その人を元気にしてあげることができます。
鈴木先生のように、人を認めて元気にして上げられる人間になって下さい。

この二つを覚えておけば、貴方は人生で成功し、幸せになれます。
卒業お目出度うございました。
( 1997年 3月21日 記 )


著者 今泉浩一のセミナー・サロン情報