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うつ病の私は愛と感謝に生きる。

私は、うつ病になってよかったです。

そんなことは悔しくて本当は言いたくないけど、でも本当のことなんです。

うつ病がなければ、自分を見つめなおすことができなかった。

私はまだうつ病と診断されて半年とちょっとです。同じ症状は10年以上前からあったのだけれど、病院に行けるようになったのが最近だったのです。
診察と投薬療法、そしてカウンセリングを通して、私のうつ病は過去の記憶からくるものだとはっきりとわかりました。
私は家庭環境に恵まれませんでした。
父親が借金を作って出ていき、毎日のように家に取り立て屋が来て、私は気付かれないように家でじっとしていました。
私が小学生のとき、取り立て屋は私の登校時間を狙って家の前に張っていて、私は通学班で登校することができなくなりました。
電話もかかってきていましたが出てはいけないと言われ、友達との連絡が家電だった時代、友達関係でも苦しい思いをしました。
母親がたびたびチラつかせていた『一家心中』という言葉を知ったのもこのときでした。母親もイライラしていて、何かあれば「死ね」との言葉を私に投げました。
そのような、環境。これがうつ病の原因。
だけど、テレビを見ていると、虐待で死んだ子供がいる。
SNSを見ればもっと恵まれぬ環境で育った人がいる。
私は思いました。
「この程度で家庭環境が悪いなんて、そんなわけない。単なる甘えだ」
うつは甘えという考えを、私は自ら持って生きていたのです。

……正直今でも甘えだと思っています。
カウンセラーさんに「今までよくがんばりましたね。これからはがんばらなくていいんですよ」と言われたけれど、『がんばる』の意味がわからないから『がんばらない』の意味もわからない。八方ふさがりになっている状態です。

だけど、ひとつだけわかったことがありました。
それは『感謝して生きることの大切さ』。きれいごとのようだけど、これが真理。

うつ病の治療は長くて苦しくて、薬だって効いている気がしないのに副作用ばかり出る。だけど、この薬を作ってくれた人、私にぴったりだと処方してくれた先生には、感謝をしています。
ありがたいことに、治療開始から数か月経ったあとに処方された薬がとても効き目があり、そこから早い段階で回復期に向かうことができました。
先生のご判断には本当に感謝しています。

それから、私は仕事をつづけながら治療をするという決断をしました。もちろん、そのことは上司に相談をしました。
本当にたくさんの時間を取って話を聞いてくれて、おかげで私は無理をせず働くことができています。

この感謝を忘れたとき、人は傲慢になっていくんだと思います。

正直言って、うつ病は自分を一番に考えてあげなければ治らない病気だと思う。だから、「ありがたいなあ」という気持ちを抱けない人とは迷わず縁を切っていいのだと思います。

医者もそう。
何度か先生が変わっているのですが、一度だけ、「この人にはどうしても感謝ができない」という人に当たりました。
そういう人と付き合っていても苦しいだけ。私はその直感を信じて、その人の診察は一度しか受けていません。

私はありがたいことに職場にも恵まれていたけれど、もし少しでも煙たい顔をされたら、迷わずに辞めていたと思います。

『感謝』という言葉を思い浮かべて、それができない人や物事からは距離を置く。そういう生き方をしていこうと心がけています。

こうした生き方のトレーニングをしていけば、いつか。
とても「ありがとう」なんて言えない家庭環境のことを、自分と切り離して生きていけるかもしれない。

最初に貼ったSuperflyの『愛と感謝』。
縁を切った父は、Superflyが大好きでした。私も、好きだった。一緒に、聴いていました。
離れて暮らすようになってから、今日、はじめて聴きました。

ありがとう、素敵な歌を歌ってくれて。
私は、愛と感謝に生きる。気付かせてくれたのは、過去の自分。うつ病になった自分。私はすこし、やさしい人間になれた気がするのです。

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