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富良野にて

先日、2-3年ぶりに富良野に行きました。

目的はもちろん、倉本聰先生。

倉本先生のライブラリーというイベントが約1年ぶりに復活するとのお知らせを、私もとってもお世話になっている、そのイベントの登壇者である久保さんから教えていただき、参加するため始発に乗って羽田から飛び旭川、そして富良野へ。

当初は弾丸、1泊2日で行くつもりだったこの旅、
先生からとんでも無くありがたいお話をいただき
結局3泊4日になりました。
この4日間は、本当に夢みたいな時間でした。

どこまで書いていいのかわからなくて
全部書けないことがとても残念だけれど

各シーンが、映画のシーンみたいになって私の記憶に残っています。

本当にたくさん素敵なことがあったのだけれど

どうしても鮮明に覚えておきたいシーンで、そして書いてもいいんじゃないかなと思うシーンを一つ。


最終日。
私はこの日どうしても帰らなければいけなくて
1番遅い旭川ー羽田便をブッキング。

この日は先生も旭川で用事があるので
「一緒に乗っていって、空港でおろしてもらいなさい」と言っていただきました。

先生のお家で奥様と、先生とお話したり、
先生の愛犬と取っ組み合いで遊んでから車に乗り込みました。

先生と奥様が後ろの席に、私は助手席に、そして私もお世話になっている九さんが運転を。

富良野から、旭川の市街地へ。

地元の人御用達の近道を通っていくこのドライブが、
なんだかとっても幸せな時間でした。

途中、美瑛を通ります。

一面、緑の絨毯。

まだ16時台だったので空も薄暗くなり始めたくらいで、景色も見える。

広い広い空。
澄んだ空気。

この日は昼間雪も降っていて、翌日は積雪が予想されてるほど、ちゃんと北海道の寒さなのに
フカフカのお布団に包まれてるみたいな、あったかくて、ほっとする幸せな時間。

一瞬、うっとりその景色に見惚れて話すのも忘れていたけれど、思わずため息混じりに

「久しぶりにこの景色に包まれると、すごいですね。」と私が言うと

「そうよね、東京とは全然違うでしょ」と奥さんのちゃこさん。

「でも、この道は初めてかもしれないです」
というと

「ほら、これが有名な道だよ」と九さん。
美瑛で有名な、ジェットコースターの道がそこにありました。

それから色んな話をみんなでしました。

三宅島の話になって、
私が「あれ?三宅島って、島ですよね?」というと
「島だよ!お前はほんとに。CAやってたとは思えない発言だなぁ」と先生。みんな大笑い。

今まで行った海外の話(先生の普通じゃない海外話には感服。)は本当に面白くて先生とちゃこさんのたくさんある海外での思い出や、

CAは果たしてほんとにお客様とデートするのか?や、

お二人は元々生粋の東京生まれ東京育ちの方なので、その時代の青春の話や

そのほかここには書けないような秘話もたくさん。。

車に揺られ、4人でたくさん話して、笑って、
小1時間走った頃に、

「ほら、信号が出て来た」とちゃこさん。

そう、ここまで信号がひとつもなかったのだ。

びっくり。

その後先生の用事について行かせてもらったこと、
これまた書けないけれど、ほんとはみんなに自慢したいようなすっごい体験、宝のような体験をさせてもらい

先生とお別れして、

空港に送ってもらいました。
「かなちゃん、ごはんどうするの?おにぎりたべる?」とちゃこさん。

ちゃこさんは、私の憧れの女性の一人。
先生みたいな人が、恋焦がれるわけだ、と思う素敵な人。
あんな人に選ばれる女性は、こういう人なんだ。
そういう女性に20代で出会えた私はとんでもないラッキーマン。

「ちゃこさん、なんだかとっても名残惜しいです」私がそう言うと

「あなた、スキーはするの?」

「はい!します」

「だったら、ね、これからシーズンになるから。またいらっしゃい。」


空港について、お礼を言って車を降りて、ちゃこさんと九さんとお別れして、空港に入ると
なんか涙がぐわっと湧いて来て、思わずマスクを目まで上げて、マスクに涙を染み込ませた。

富良野には何回か来てるし、先生やちゃこさんには東京でもお会いしてる。
でもなんか今回はいつも以上にとっても名残惜しくて。

きっとこういう時間が久しぶりだったからだと思う。


フカフカの景色と道、ポカポカの時間。

体の芯から温まるような、皆さんとの4日間。

奇跡みたいな学びをさせてもらった4日間。

先生に、実は初めて話した、脚本に関する私側の話。

それから、聞きたかったことを聞いた。
出版社の方や評論家の方もいらっしゃる前で、恥を忍んで、どうしても聞きたかったことを正直に。

そして返ってきた先生の答えがやさしくて、真理で、
そりゃあそうだ、あぁ、だから、先生の作品は、ああなんだと思った。
人間として、自分がいかに小さいかをもう一回ちゃんと見直せた。
まっすぐでいいってこと、いくら傷つけようとされても、傷付かなくていいし、傷ついても、それをやる側にはならなくていいということ。
優しくて、いいんだ、ということ。


張り詰めてたものを抱きしめてもらって、
よくここまで頑張ってきたね、おかえり、と言ってもらって
さて、ここまで頑張ってきたから、
美味しい栄養いっぱい入れてあげようね、うちの大切な子なんだから、またここから頑張りなさい、あなたならできるから!と、言ってもらってるみたいな。


それからきっと、涙が出てきたのはもう一つ、
先生やちゃこさんみたいな偉大な方との時間を
そんな風に感じるなんて図々しいにもほどがあるのはわかっているけれど、
3年前におじいちゃんが亡くなってもう叶わなくなった、私が大好きだった「おじいちゃんとおばあちゃんとの3人でのトークタイム」が久しぶりにできたみたいな気持ちになった。
私の話を面白がって聞いてくれる、親とは違う、伴走してるんじゃなく、ずいぶん先で見ててくれる、絶対的な安心安定の存在。
自分を全く小さく見せなくてよくて、全力で聞いて、等身大で話せる存在。

ほっとしたのだ。
私のいるところは、やっぱり温かくて、明るくて、そして豊かな場所。

倉本先生という、神様。
なのに、先生に会うといつも、ほっとする。


北海道から東京は飛行機で1時間ちょっと。
地上に降りると、あっという間にビル街に。
さっきまで、ほんのさっきまで、あんなにフカフカの道だったのに。。。

大阪生まれ大阪育ち、東京やNYやParisや、都会が好きな私。
旅行好きなのでもちろん田舎も大自然も大好きだけど
なんかこの日は人生で1番、
「私ってものすごくちっぽけな小さな世界で生きてるのかも」と思った。
田舎に引っ越したいわけではないけれど
なんとなく、自分の周りで起きる小さなしょうもない嫌なことは
あの大自然からしたら、本当に心の底からどうでもいいなぁと思った。

何が豊かなんだろうか。
どんな時間が幸せなんだろうか。
幸せってなんなんだろうか。

たくさん悩んだ挙げ句、ほら、もう考えなくて大丈夫、ずっと前からちゃんと持ってるでしょって、
自分が奥の方にしまって忘れかけてた大切な答えを
改めて見ると、なによりも、本物だった、そんな感じ。


あぁそうか、この日の為に、この日をちゃんと味わうために、あれもこれもあったんだなと思うような、そんな4日間でした。
そしてまたここからひとまわりもふたまわりも大きくなれそうな、また一つ何か大きなものが掴めそうな、大きな大きなエネルギーをもらったのでした。

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