見出し画像

カントーCần Thơってどんなところ?(概況編)

カントーで働くことになりました

XなどSNSでもお伝えしました通り、実は4月半ばから、ベトナム・メコンデルタ、カントーで働いております。JICA(国際協力機構)とカントー大学との協力プロジェクトでのプロジェクトコーディネーター業務です。家族はハノイに残るのでハノイにも頻繁に戻ってきますが、ベトナム在住17年にして初のハノイ以外、南部での仕事・滞在となります。緊張もありますが、新たなチャレンジにワクワクもしております。メコンデルタ、ベトナム南部在住の皆様、そしてハノイ・北部の方も引き続き、どうぞよろしくお願いします。

思えば昨年このカントーの地を訪れた際に、「ああ、なんかイイところだなあ」という感触を得た、それから半年くらい経って、そこに住むことになるとは、当時は思ってもみませんでした。一つ一つの選択の結果とは言え、不思議な縁も感じるところです(グルメ情報はまたまとめて別記事と、Xアカウントの方で♬)。

とはいえ、カントーってどんなところ?

多くの(特に日本在住の)日本の方に「カントーで働くことになりました、カントー大学です」というと「関東のどこですかあ、あれっ、関東大学ってあったかなあ?関西大学?関東学院大学ですか?」みたいな、お決まりの会話になります。そう、ベトナム在住の方は名前を聞いたことある方が多いと思うものの、カントーの街はまだまだ日本人になじみがあるものではありません。そこで、自分の勉強のためにも、ここnoteでも何回にかけてこの街、地域(メコンデルタ)について書いていきたいと思っています。ということで、最初なのでまずは一番の大枠から。

Cần Thơ:メコンデルタの中心地、西の都

まずはその位置から確認していきましょう。ご覧になってお分かりの通り、縦に細長いベトナムの最南端、今まで私が住んでいたハノイから最も遠いところにあるエリア、そこにベトナムのメコンデルタ(ベトナム語でĐồng bằng sông Cửu Long)があります。有名なメコン川の下流にあるからメコンデルタ、なわけですがそのメコンデルタ紹介は、またとても奥深い&長編になりそうで別の機会に。

そして以下の図が上の図左側、緑に塗られたメコンデルタ部分を拡大したものなのですが、その中心に位置するのがカントー市(thành phố Cần Thơ)です。地元の人はカントーを誇りと共に「Tây Đô」と呼びます。これは「西都」という意味で、時にmiền Tây(西部)とも呼ばれるこのメコンデルタ地域の中心である、都であるという自負を示した呼称だなと感じます。

カントー市はメコンデルタ中心に位置

街を流れるのは、そのメコン川の下流にあたるハウ川(sông Hậu=後川)。メコンの恵みである水運が地域経済の重要な役割を果たし、また観光客にはのんびりしたメコンの情緒をもたらしてくれます。

何か遠そうだけど、どうやって行くの?

こう聞くと(ベトナム北部から見ても)ずいぶん遠くに聞こえるかもしれないカントー市、でも近年の交通インフラ整備もあって、大分行き易くなっています。元々ハノイとは毎日複数の直行便が飛んでいます(ベトナム航空、ベトジェット)、飛行時間は2時間強。そして、ホーチミンとの距離は橋がかけられたり、高速ができたりしたおかげで、長距離バスで速ければ2.5時間程度にまで縮まりました(バス代も日本円で1千円くらい)。ご参考までに地元の人も良く使うバス会社「Phương Trang」はこちら、リンク貼っておきます。オンライン予約もし易そうで、便利そう。

ベトナム5大直轄市の一つ

ベトナムには「Thành Phố trực thuộc trung ương」と呼ばれる政府直轄の大きな都市が5つあります。ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナンと並んでカントー市もその政府直轄市の一つです。一定規模の都市であること、地域の中心としての役割を担うことなどを認められてのもので、2004年に現在のハウザン(Hậu Giang)省のエリアを分離すると同時に、政府直轄市となりました。農村地域を敢えて分離して、都市部を括りだし、直轄市にしたという意味がありそうです。

(ちなみにThành Phốというベトナム語表現は他の地方省の小さな街でも聞かれますが、それらは多くがその地方省が直轄のThành Phốという意味でThành Phố trực thuộc trung ươngとは異なります。日本語にするとどちらも「市」と訳されてしまいがちなので、ややこしいですね。)

面積、人口の比較(2022年) 出典:ベトナム統計総局統計年鑑2022

上に少し数字を示しましたが、同じく政府直轄市であるハノイ、ホーチミンよりはかなり小ぶりなカントー。でも100万人都市、それがゆえに人口密度もそれ程でなく、渋滞もほぼ無い、それでいて都市での生活に必要なものはそろっており空港もあるなど、生活の質は大分高いなと感じています。物価も、食べ物などを中心にしての体感ですが、ハノイより3割くらい安いなあと感じます。

ご飯がメチャ美味!綺麗なところも沢山ありそう♬

当初は「味付けが甘いらしい」ということで、口に合うか少し警戒していましたが、それがメチャメチャ合います!以下に書いたように一つ一つの解説をしていたら一冊の本になってしまいますのでボチボチ投稿していきますが、これらを食べ尽くしに来るだけでもカントーに来る価値があるのではないかなあと感じます。

カントーの観光名物である水上マーケットにも早速行ってみましたが、とても手軽に行けて、非日常の朝時間を過ごせる、とっても楽しいものでした。地元の生活が水上マーケットに密着している、というような様子を見ることができませんでしたが、残されたその頃の雰囲気は感じられました。

加えて、カントーのメコンデルタ中心に位置するという優位を活かして、ベトナム他地域からはなかなか訪れにくい地域(カマウ、チャビン、ソクチャン等々等々)に、車でわずか数時間で行けるというのも魅力。これから新たに訪れられそうな、新しいベトナムがまだまだあるなと感じます。

まだまだ知らないメコンデルタ、だからこそ

何を隠そう、ベトナムに17年も住んでいる自分が(ずっとハノイ在住だったとはいえ)これだけ新鮮に感じているのですから、多くの皆さんにとっても発見が沢山あることと思います。これからnoteやXで色々勉強しながら、発信をしていきたいと思います。個人的には以下にnote再掲したような話題を始め、より歴史や文化にも迫れるような文章を書いてみたいなあと思っています。

興味を持たれた皆さん、是非カントーに遊びに来てください♬


この記事が参加している募集

新生活をたのしく

11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。