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ダナンで市中感染発生、再び発動のベトナム強攻策の行方は?(2020年7月26日20時段階)

市中感染ゼロ「100日目」を前に…

市中感染がなくなって99日経ち、いよいよ100日続くかとなっていた7月25日(というかまだ昨日)、ついにその記録が途切れることになりました。ダナン市で57歳の男性が新型コロナウイルス感染と確定したのです。ここ一ヶ月ダナン市から出ていないそうで、何らか市内で感染したことは間違いないようですが、感染源は明らかになっていません。

こちら患者の状態は相当重いようで、ホーチミン市チョーライ病院から搬送されたECMOを使っての救命がなされるそう。 99日間連続市中感染無しから一転して、ベトナム初の死亡者が出るかという懸念がされる状態に、事態は急変しています。

そして本日7月26日(このnoteアップ日)になって、前日の患者との関連はわかりませんが、さらにもう一人のダナン市男性の感染確認がなされ その患者もすでに呼吸器をつけているというかなり重症患者であることも報道されました。その後、26日夕方には更に2人(QuangNgai省の17歳、ダナン市の71歳)が発表され、中部地域で感染発表が続いています。

急転直下、電光石火の対策ラッシュ

これを受けてのベトナム政府の対応はまさに電光石火。7月27日午前には同日の13時からダナン市内における人が多く集まる活動、不要不急のサービス業などを禁止する指示(ほぼ命令)を出しました。午前に決定、13時に実施、周知徹底時間僅か数時間の超高速実施です。

そして、中央政府Covid-19対策指導委員会は、ダナン市観光局に対し同市に来る観光客の受け入れを停止するよう求めました。ダナン市への観光客受け入れの停止が指示され、市内学校も26日から再び休校となりました。クアンガイ省も同様に27日からの学校休校を発表しました(共に夏休み期間ではあると思いますが、コロナの影響でまだやっている学校もあったのかもしれません)。矢継ぎ早とはこのこと。

更に、Covid-19対策指導委員会は27日0時(つまり26日深夜)からダナン全体を「ソーシャルディスタンス」下に15日間おく、首相指示16号対象とするよう、首相の判断を求めているというニュースも伝えられていました。この首相指示第16号内容についてはこちら在ベトナム日本国大使館HPをご参照頂きたいですが、これが発動されれば、街はほぼロックダウン、まだ数名の感染者確定で街全体を再び隔離する措置に出るのか、ダナン市民は固唾を飲んで見守っているところでしょう。ただ、先ほど出たベトナム政府ポータルでのニュースでは、首相が厳しい対応を求めていると述べているものの、首相指示第16号発動とは伝えられていません。さすがにもう少し各種検査の様子などを見るのでしょうか。

他都市への拡大は?

これまで非常に迅速かつ強固な隔離政策で感染拡大を徹底的に抑え込んできたベトナム政府。当然3ヶ月ぶりの今回の市中感染発生に対しても、同様の強い措置で臨んでいくでしょう。今後は他の都市に感染が飛び火するか、そしてどれくらいこれらの措置が他の地方にも拡大を適用されるかが焦点となります。ハノイ市も早速市民に、油断なく、改めてマスク着用を求めるなど、改めて気を引き締めています。ホーチミン市でも以下のような措置が始まるそう。これはハノイでも来そうな感じがします…。

全国的な影響としては、リーグ戦が始まって盛り上がりを見せていたサッカーVリーグが暫く中断と決定がなされました。今後もこういった大規模イベントに関しては、また延期・中断・中止の流れができるかもしれません。

この記事をアップしているうちにも、更に色々な政府判断が出るかもしれません。平和を取り戻しつつあったベトナム、残念ながらまたしばらくベトナム政府の対応策を日々注視しなければいけない、with Coronaの生活が再び始まりそうです。

11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。