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10年越しでついに開業!ベトナム初、ハノイ初の都市鉄道が走り出す!

私にとっても10年越し

長い間、長い間の時間を経て、ハノイ初、そしてベトナム初の都市鉄道がついに走り出しました!私のツイッター歴も10年を超え長くなりましたが、振り返ればその初期である2011年からこの事業についてつぶやいていました。この事業も10年越し、私もある意味10年越しでこの事業の行く末を見ていたことになります。

しかし事業の進捗は送れ、開業は延期を繰り返します。初期段階での用地取得に2015年までかかったことなどに始まり、多くの反省点があると現地紙TuoiTreも振り返っています。その経緯の一端については、(もうこの記事自体も2年以上前になりますが)以前書きました以下note記事をご覧ください。

ここでは、ついに開業の日を迎えましたハノイ市都市鉄道の様子を、noteにも記録しておこうと思います。ツイートしたこととも被るところ大ですが、何卒ご了承ください。

いざCát Linhカットリン駅へ!

そもそもこの路線はCát Linh - Hà Đông都市鉄道(đường sắt đô thị Cát Linh - Hà Đông)と呼ばれ、ベトナムの都市鉄道・メトロ整備計画の中では「2A号線」とも呼ばれています。ハノイ市内中心部にあるCát Linh駅から、市南西部郊外(と言っても今はイオンもできて都市化進む)Hà Đông区を繋ぐ電車です。

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迎えた開業初日の2021年11月6日、まずはその始発駅であるカットリン駅を訪れました。

何だかんだでワクワク感あふれる雰囲気

冒頭でも触れた長い工期もあり、ハノイ市民の事業への不満、不信の声も大きかったことは事実です。とは言え、こうして開業してみると、コロナ禍で苦しいここ1、2年を過ごすハノイ市民としては、久々のワクワクするニュースと受け取られたのでしょう、初めての都市鉄道に乗ろうと多くの市民が訪れていました。

ちなみに実は開業2日目の7日(日)にも見に行ったのですが(物好きでスイマセン)、この時には駅への入場に行列もできており、開業初日を経て「おーっ、本当に開業したんだ、行ってみよう」と言う感じで、更に多くの人で賑わっていました。

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電車が来た!

そしていよいよ電車がやって参りました!正直鉄道に詳しいわけではないので車輛がどうこう、と言った解説はできないのですが、とにかくベトナムで初めて、ハノイで初めてという都市鉄道がやってきた高揚感のようなものが印象的でした。

そして、電車が入ってきました!電車が入ってきた時の一種の高揚感は「初めて!」って感じ満点ですね♬

いよいよ乗車!高架鉄道からのハノイの風景

駅周辺の開発はこれからか

今回はあまり時間が無かったので、ちょい乗りで2駅行ったGa Thái Hàで途中下車。やはり慣れていないのか、改札にチケット通すのに戸惑う人がいたりするのも、開業初日の清々しさと言った感じでしょうか。開業から15日間は市民に乗ってもらおうと無料、その後はチケットを買うことになります。この路線の乗車料金は一回毎のチケットだと距離により8千~1万5千ドン、一日乗車券は3万ドン(約150円)、1カ月定期券は10万ドン(約千円)、学生や工業団地労働者(この路線沿いにどれだけいるのか?)は10万ドン(約500円)とかなり抑えられている印象です。

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駅階段を降りれば、普段のハノイへ。特に駅前だからどうこうと言った感じは今はありません。ハノイにも「○○駅前」といった概念が、今後登場するのでしょうか。

人々は電車に乗り続けるか?

さあ、いよいよ開業した都市鉄道。開業当初は無料だし、興味津々で多くの人が乗るでしょうが、今後「市民の足」になっていくのでしょうか?多くの方もご想像の通り、市内に一本だけ電車が走っていても乗り換えもできない、交通「網」として発展していかないと利便性は上がりません。今回は以下地図の黄色い「2A」と呼ばれる路線が開通し、更に2022年末には「Nhổn - Hà Nội駅」間を走る以下の3号線地上路線部分の開業が目指されています(が、こちらも事業の遅れが続いています)。これらが繋がっていけば、電車を乗り継いであちこちへ、というハノイが見えてくるでしょう。

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もう一つの課題は、ベトナムに根強い「歩かない文化」。バイクに乗って「Door to Door」で移動することに慣れてしまっているベトナム人が、乗り換えやら、職場・学校までやらで歩く必要が出る公共交通文化に、どれだけ慣れていけるかはまだまだ未知数。とはいっても、将来の姿を想像するのは楽しみですね。交通渋滞がない、空気がきれいなハノイが待ち望まれるところですが、さてどうなることでしょうか。

11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。