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ハノイの新一年生から考えたハノイ市人口趨勢やら

9月はベトナムでは新学期が始まる月。9月2日が独立記念日なので、多くの学校が9月3日頃に始業式を行い、新入生を迎えての新たな一年を開始します。人口がまだ増加傾向で、しかも都市化がどんどん進むベトナムの都市部では、新たに増える人口、そして子どもの教育に対応する学校不足の問題が深刻です。

うちの子どももベトナムの公立小学校に入ることになったのですが、その入学式当日たるや、バイクと車と徒歩の学生と父兄で学校の前が大渋滞!歩道にバイクがあふれても全く動かないという、大変な目に遭いました。市内の小学校、特に公立小学校は、増える都市人口に対応するのに四苦八苦しています。膨張する都市とその社会インフラのバランスがどう取られていくかは、新興国の多くの都市、そしてベトナム・ハノイの大きな課題です。

そんな新学期の今月、新一年生を巡る幾つかの報道やデータが目を引きました。ベトナムのネットニュースサイト「VN Express」は公立小学校の中で、特に「新一年生の1クラス55人以上のクラスになっている学校」を取り上げ、子どもの増えている区としてThanh Xuân, Cầu Giấy, Hà Đôngの各区を挙げつつ、これはベトナム教育訓練省が標準とする35人/クラスを1.5倍以上になっていると報道しています。インフォグラフィックで分かり易くまとまっていますので、ベトナム語ではありますが是非ご覧ください。

幾つか紹介しますと、上記図の上半分は一クラス平均学生数が多い区のトップ5。最高のThanh Xuan区は60人超え、第2位のCau Giay区は59.6人。わが子の公立小学校もCau Giay区にあり、一クラスが60人くらいだったのでこの数字も納得です。上記図下半分は、公立小学校の内、一年生の一クラス人数が55人を超えている割合で、上位2区はほとんどが超えており、Ha Dong区もかなりの学校が超えています。

それらの区がハノイのどのあたりにあるかと言えば、上記地図をご覧ください。緑色が付いているのは新一年生の総数が多い区・郡ベスト10です。こう見るとハノイも広いですよねえ、通常「ハノイ」として思い浮かべるホアンキエム区などは上記青丸程度の大きさですから。都市部に近接し、面積に比して子供が多く学校が飽和しつつあるほど人口が増えているThanh Xuân, Cầu Giấy, Hà Đôngの各区はハノイ市の中心から西南部に位置しています。子どもが多い地域には、当然その親である若いカップル層が多くいて、そういう若い家庭は自然それに応じた消費行動を行っていく。これを見ると、2019年開店に向けて現在建設中のハノイ・イオンモール第2号がなぜHà Đôngに作られているかも良くわかります。

教育の問題として語られているニュースですが、ハノイにおける人口動態を如実に表しているデータも含まれており、ハノイにおいて小売りやサービス業を行う皆様にとっても色々示唆のあるデータになりそうです。

11年間ベトナム(ハノイ)、6年間中国(北京、広州、香港)に滞在。ハノイ在住の目線から、時に中国との比較も加えながら、ベトナムの今を、過去を、そして未来を伝えていきたいと思います。