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楽しく暮らすためのソリューションとしての育休について

子供が生まれたので育休を取ります。男性の育児休暇を取る方はまだまだ少ないと思うので、参考までにいろいろ書きます。育児休暇を検討している男性と、検討してない男性の配偶者さま宛てです。
 僕の家庭に関する最大の関心事は「どうやったら家族で楽しく暮らしていけるか」ということに尽きます。これはけっこう強く思ってて、一緒に暮らしてるのに楽しくないなら解散するのも選択肢の一つだ、とすら思ってます(実現性は別として)。
 長男を三年近く育ててみてわかったのは、家族のメンバーが一人増えることは思ったより影響が大きい、ということ。そして、それまでの延長線上で家庭を運営をしていくのは困難である、ということでした。家事分担も見直しが必要だし、自分のために使える時間は劇的に減る。もろもろ費用は増える。夫婦間のコミュニケーションも変わるし、互いに対する気持ちも変わる。子供、子育てに関する新しい関心事も増える。とにかく変化が大きくて、それに伴って不和やストレスが増える。で、楽しく暮らしにくくなるなと思ってました。まあ問題が増えるってことです。
 こういうもろもろの問題を解決するためのソリューションの一つが育休取得である、というのが僕の考えです。育児に専念する期間、というよりは、家族増員の変化に適応しつつ、家族の共同運営者である配偶者と認識と気持ちを合わせて、今後の戦略と施策について議論検討決定する期間、それが育児休暇だという認識です。
 育休なしで仕事しながらでも精一杯育児に臨む、というのももちろんできると思います。ただ、そこまで頑張んなくてもいいんじゃないの、と思います。仕事しながらこの変化を乗り切るのは時間的にも気持ち的にも大変だと思います。そして、何かの都合で、仕事が忙しくなったりすると育児にかかわる時間を減らすことになって、結果的に妻に白い目でみられる、というのは、まあありそうだし。
 育児と仕事のバランスはとても難しいと思いますが、「一定期間育児に集中している人」と「働く合間に育児を手伝う人」という分業になってしまうと、夫婦で見ている景色や感じ方が違いすぎて、変化に対する共通の価値観を築くことも難しくなるんじゃないかなとも思います。ここで生じたズレを埋めるのは結構難しい気がします(まあ、別に全然違う価値観でやってく、というのもいいと思うので、それは好き嫌いですが)。
 また、科学的な観点から見ると、女性は出産時にオキシトシンというホルモンが分泌されます。これは子宮を収縮させるホルモンなんですが、脳に作用して幸福感を生み出す副作用もあります。なので、「こどもかわいい」となるわけですが、その別の作用として「他者に対して排他的になる」という作用もあります。守るべき味方と戦うべき敵を明確に区別する、ということなんですが、このとき、男親としてはどっちの対象に分類されるかが死活問題になります。ということで、夫婦仲良くやっていくためには、男親が味方サイドと思われるための打ち手が必要で、育休はまあわかりやすい打ち手になるのでは、ということも言えると思います(最適解は夫婦によって異なるため、必ずしも育休を取ることが味方サイドになる打ち手とはいえないことも付記しておきます)。
 ちなみに、男性は出産しないのでオキシトシンが大量分泌されることはないですが、子供とかかわることで少しずつ分泌されるようになる、ようです。つまり、男は構造的に親になるのが遅いものだということを、こう、ご理解くださいね、女性のみなさま。
さて、前置きが長くなりましたが、具体的な育休期間中の過ごし方についてですが、今回は仕事をしながら育休を取る「半育休」を選択しました。正式には「半育休」という制度があるわけではなく、既存の育休制度の中で、条件を満たせば育休期間中に仕事をすることが認められている、ということです。
詳しくは同僚の橋本 吉央)さんのこの記事をご覧ください。
https://fledge.jp/article/han-ikukyu
僕個人としては、本来は育児休暇は仕事をしないのがベスト、だと思いますが、ベストな選択肢を選べるか、というのはまた別な話でして。
  
 今回は、育休中に取り組むことにした業務については属人性、必要性が非常に高く、かつ自分の責任が重い業務だと認識してまして、会社のためというよりも、自分のためにこれはやりきらねば、という気持ちがあります。
 また、第二子で二回目ということで育児に対して気持ちの余裕がある、第一子を保育園に預けるので時間的にも余裕がある、妻が比較的寛容な人間なので大概のことはOK、という家庭の状況もあります。
 という現在の状況を踏まえた結論として、今回「半育休」を選択しました。ベストではないのかも、とも思いますが、数ある選択肢の中で最適解(の1つ)を選ぶことができたという納得感はあり、まあいいかと。
なので、仕事しつつ、育児しつつ、遊びつつ、の3カ月間を過ごそうと思ってます。たとえば、こんな感じ。
・家事育児に超真剣に取り組む
・週に4冊本をよむ
・平日毎日ヨガに通う
・楽器の練習をする
・草間彌生美術館に行く
・クラブボン x 徳澤青弦カルテットのライブ@ビルボードにいく
・スター・ウォーズの新作を公開初日に見る
・ウォーキング・デッドに手を出す
育休だから育児にコミットすることが是となってしまうと、(身勝手な話ではありますが)男性にとっては未経験でよくわからない育児やるより、自分の能力生かせて慣れてる仕事やるほうが楽(変化が少ない)というのは、まあわからなくはないです。面倒なのはみんな嫌だもんね。
 だから、そういう堅苦しい、義務感的なのは一回全部捨てていいんじゃないかと思います。育児休暇というありがたい期間を、どうやって自分、家族、子供にとって意義あるものとして利用するか、という視点で自由に考えて自由に使っていいんじゃないかと思います。そのうえで、育児にどれだけコミットする必要があるのかは決めていく。それは所与ではない。育児休暇という手段は一つだけど、その目的は多様であっていいし、家族の数だけ多様であるべきだと思います。
 別に書かなくてもいいことだとも思ったんですが、参考事例の一つとしては役立つかなということと、男性の育休のとり方や考え方にも多様性があっていい、という観点で書いてみました。極論、家族としての最適解であれば、男性が育休取らないのもOKだと思います。何が大事が、必要かをちゃんと考えることが大事なはずなのに、画一的に男性育休取るのが最善となっていきそうな今のダサい風潮に物申したく、長文書いてみました。

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