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渡独27日 食べたものまとめ

幸いにも、渡独してから食にはあまり困っていない。貧乏性が外食を減らしているが、先日オクトーバーフェストに行ったこともあり、食生活についてなにか書ける気がする。

スーツケースに着物1式を詰め込んだ為に、他の荷物はかなり削る必要があった。日本食やインスタント麺を持ってくるつもりはさしてなかったが、結果的に正解だったと思っている。駅近くまで行けばアジアンスーパーは何件かあり、調味料や米が買えるようだからだ。あまり使う気はしないけれど、以前の住民が残していったであろう醤油がアパートの共用キッチンにあった。こちらの食文化に触れるべき期間であるので、敢えて割高な日本食を食べようという気にはならないが、本当に心が米と醤油に飢えた時に頼れる場所があるのは支えになる。

普段はパン、ハム、チーズ、果物ばかり食べている。schwarzwärderschinken(黒い森のハム)の、ハムの新鮮さがありながら塩気と燻された香りがしっかりとしているのが好きだ。ドイツパンと言われて想像するような、小麦粉、ライ麦とその他穀物(チアシードや胡桃の入ったもの)が入った薄切りのパンに載せて食べる。Mischbrotと呼ばれる白にブラウンのかかったパンの方が口慣れた白い小麦粉が多く含まれているはずだが、かえって酸味が口に広がりやすく食べにくかった。サワー種の小麦にはまだ慣れていないので、パンは慎重に選んでいる。チーズは癖のないButterkäseを合わせている。ハムの風味が強いので無難な組み合わせを取ったが、他のものも試してみたい。

果物が安いのでスーパーに行く度に買う。ネクタリンが1キロで300円ほどだ!日本だったら到底買えないこの時期でも新鮮なものを買えばおいしい。スペインなどの暖かい地域から入ってきているで、関税のないEUという制度に感謝してしまう。果物は好物なので幸せだ。ネクタリンは日本のものより固めで水分が少なく、繊維がより緻密なように感じる。小ぶりなリンゴのような肌に前歯を突き立てて齧る。大ぶりの種から果肉がブチブチとちぎれて、果汁が手のひらに伝いそうになる。幸せだ、やはり朝食は人生のログインボーナスだ、と思いながら噛み締めている。

大学での昼ごはんはMensa(学食)に行く。ベジタリアンフードやアジア風料理など様々な配慮があり私の所属大学よりは何歩も先進的だとは思うが、如何せん一手間かけた料理には当たり外れがある。結局学食の器量には限りがあり、そして揚げた芋や焼いた肉には失敗がない。これまでで1番美味しかったのはシュニッツェルとフライドポテトの皿盛りである。ヴィーガンソーセージなどはその場にいた3人が眉を顰めた。ミートソースパスタのような、肉そのものを味わわせるような料理でなければ代替肉でもいけるものなので、当たり外れを見極める必要がある。

私が初めてドイツで食べたソーセージというのがそのヴィーガンソーセージを味見させてもらった1口だったので、口直しと言わんばかりにオクトーバーフェストで本物のソーセージを食べてきた。相場が高いが、なるほど美味い。大ぶりで、ソーセージそのものの風味が程よく美味いところに、ケチャップやカリーブルストのソースなどの味付けが濃いめだ。これがビールに合うので、とうとう1リットルほどのジョッキを開けてしまった。銘柄によっては飲めるもののあまりビール好きではない自分が、片手で持ちきれないようなジョッキを飲み干せるのかと不安だったが、案外いけるものだ。味も香りも、日本のものよりやさしく感じた。薄めたと言うよりかはマシンドリップとハンドドリップのコーヒーの違いのような感じだろうか。寮のウェルカムパーティーで出てきた瓶ビールは1本のみきれなかったので、ドイツと日本の違いというよりも単に銘柄によって味の幅が豊富なのだろう。試す楽しみが尽きない。そうでなくてはならない。多少太って帰ることを見越して1サイズ上のジーンズを買ってある。

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