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避難生活シミュレーションを終えて

まず手始めに「午後3時からスタートして、翌日の午前10時まで」と提案していた避難生活シミュレーションは、無事に終わりましたか?
実際にやってみてどうでしたか?
楽しみながらできましたか?

「やってみる」ことの大切さ

「やってみる」のと「やってみない」のでは大違いです。
防災や避難生活に関する情報は、ネット上にたくさんあります。
行政から冊子が配布されているかもしれません。
自然災害がある度に、テレビで特集が放映されます。
でも実際に「やってみる」のと「やってみない」のでは大違いです。

やってみると様々な「気づき」があると思います。
「あれがないんじゃない?」
「あれがあった方がいいね」
「これ、どうやって使うの?」
そして「やってみないと本気にならない」というのが実際のところです。
テレビで何回も言っても、大変な状況の映像を流しても、非常持ち出し袋を用意しないものです。
まずは「やってみる」ことから始めてください。
せっかく時間がある今だからこそ、チャンスだと思います。

キャンプのすすめ

山でテント泊をしている人や、普段からキャンプに出かける人は、何の問題もなく過ごせたことでしょう。
そう、キャンプの状況がまさに「電気・ガスがない」状況だからです。
必要な道具もあるでしょうし、過ごし方もわかるでしょう。
キャンプをやったことがない方には、ぜひおすすめします。
「気持ちのいいベッドじゃなきゃ眠れない」
「お風呂に入れないなんて、絶対ムリ!」
「とにかく虫がキライ」
など色んな方がいるのをわかった上で、それでもおすすめします。
そこに慣れることができれば、いざという時のたくましさにきっとつながりますよ。

改めて考える、水の大切さ

今回はハードルを下げるために「電気、ガスが止まった。水道は出てる。トイレも使える」という状況を想定してやってみることを提案しました。
やってみると「水があること、水が使えること」の大切さがよくわかると思います。
水を止めると、一気にハードルが上がります。
飲み水(上水)はもちろん、排水(下水)も非常に重要です。
水がなければ、調理ができないし、水分補給ができません。
下水が使えなければ、水洗トイレが使えません。
大問題ですよね。
この対処法については、また別の機会にお話します。

知らないとわからないこと

私が主催する防災キャンプでは、とことん「想像」してもらいます。
「さあ、どうなる?」を繰り返し聞きまくります。
「停電する」→「さあ、どうなる?」
「断水する」→「さあ、どうなる?」
その結果起こることをどんどん紙に書き出してもらいます。
ただ「想像」には限界があります。
自分が体験したこと、見聞きしたこと以上のことは想像できないからです。
それがよく言う「想定外」でもあります。
そこで私は阪神大震災で体験したこと、東日本大震災の被災地で見てきたことをお伝えし、「どんなことが起こるのか」の引き出しを増やしてもらっています。
想像以上のことは「知らないとわからない」んです。
また、災害が起こるとすぐにスーパーの食品やインスタント食品の棚が空っぽになるように、「どうすればいい」ということは、賢い行動を「知らないとわからない」んです。
実際に被災者になってからでは手遅れです。
その前に避難生活をシミュレーションしてみると、世の中にあふれている情報の見え方が変わってくることでしょう。

非日常

「避難生活」と「緊急事態宣言下の生活」は似ているかもしれません。
それはどちらも「非日常」だからです。
シミュレーションをしてみることで、「どう過ごすのか?」のヒントが見えるかもしれません。
「置かれた状況の中で、いかに心身の健康を保つか?」がとても大切です。
できないことに頭を向けるのではなく、できること/今やるべきことは何かを考え、そのことに力を注ぐことが大切です。

今回は「外出自粛」によるストレス解消の1つのアイデアとして「避難生活シミュレーション」をご提案しました。
でも、心身ともに余裕がないと難しいことでもあります。
すっかり落ち着いてから、改めてやってみてもいいと思います。
これからも様々な情報を発信していきます。

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