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上高地って何?

最近「上高地」を知らない方が増えてきました。
その事実に出会う度に思い上がりを反省し、魅力を伝えることの難しさを痛感します。
改めて聞かれると、意外と答えるのが難しいですね。
上高地って、何でしょう?

上高地ってどこにあるの?

上高地は「かみこうち」と読みます。
長野県松本市の西の端、岐阜県との境にあります。
昔は「南安曇郡安曇村上高地」でしたが、平成の大合併で松本市になりました。今は「松本市安曇上高地」です。

「安曇」と付くので「安曇野」と間違われる方がいます。安曇野は「里」です。上高地は「山」です。また安曇野市でもありません。松本市です。

「長野県 リゾート」で検索して、軽井沢と勘違いされる方がいます。上高地と軽井沢はまったく場所が違います。

6月 (2)

上高地には何があるの?

上高地にはショッピングモールや巨大アウトレットはありません。
遊園地やジェットコースターもありません。
ゴンドラやロープウェイもありません。
レンタサイクルや面白自転車もありません。
MTBやラフティングといったアクティビティもありません。
オートキャンプ場もありません。

上高地は山の中にある国立公園です。
そこには自然があります。

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上高地にはどうやって行くの?

上高地にはバスかタクシーで行きます。
マイカーで行くことはできません。
そのことを知らずに釜トンネルの入り口で監視員に停められて、右往左往している車をよく見かけます。
「マイカーで行けない観光地なんてあるの?」と驚かれた方もいました。
なるほど、そうかもしれませんね。
上高地はそういうところです。

帰りもバスかタクシーに乗って帰ります。お盆や紅葉のきれいなハイシーズンの午後は、みんなが一斉に帰るために「乗車待ち」の列ができます。時には1時間以上待つこともあります。
「特急の時間に間に合わない」と焦っている人を見かけます。秋では夕方になって寒くなり、半袖で震えている人がいます。
時間に余裕を持ってお出かけください。ハイシーズンは長い列ができることを知っておいてください。

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上高地ってどんなところ?

上高地は標高1,500mの山の中です。
上高地は北アルプスです。槍ヶ岳・穂高連峰などに登る登山者の玄関口でもあります。

「えっ?上高地って登山なの?」
いいえ、上高地は1,500mの山の中なのに、ほとんど平らです。なので小さい子どもからご年配の方まで訪れています。

時々「尾瀬」と間違われる方がいますが、違います。
ずっと木道の上を歩くわけではありません。
ずっとアスファルトの上を歩くわけでもありません。自然の山道なので石や土の道ですし、水たまりやぬかるみもあります。

ちなみに冬は閉まっています。

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上高地には何しに行くの?

上高地は年間120万人の方が訪れる観光地です。
皆さん散策に来ます。
自然を見に来ます。
四季折々の表情を楽しみに来ます。
毎年のように訪れるリピーターの方も多いです。来る度に違う景色に出会うので、飽きることがないのです。

上高地内にはいくつも宿泊施設があります。上高地に泊まれば、夕方の風景、星空、夜明けも満喫することができます。
キャンプ場もあります。テントを張って寝てもいいですし、ケビンも利用できます。
夜中にフクロウの声が聞こえるかもしれませんし、朝は鳥たちのさえずりで目が覚めるかもしれません。

星空を楽しむ

お勧めの楽しみ方は?

バスツアーで来て、ちゃーっと河童橋だけ見て、ぴゃーっと帰ってしまう観光客の方がとても多いですが、実にもったいない。
ぜひゆっくりと散策してください。
お気に入りのところで景色を眺めて、のんびり過ごしてください。
今咲いている花々を楽しんでください。

外国人の方はこういう所の過ごし方がとても上手です。
大正池のほとりでずっとまどろんでいる方。
梓川を眺めながらおしゃべりを楽しんでいるカップル。
写真撮影やスケッチをしてゆっくり過ごしている方。
日本人のように駆け足で観光地をハシゴしていくのはもったいないです。

宿泊できれば最高です。
夕方、夜、朝・・・、日帰り観光客がいなくなった後の上高地、泊まっている人だけが見られる風景は、泊まった人だけの特権です。

ガイドツアーに参加するのもお勧めです。
自分たちで歩いただけでは見逃してしまうような風景、知り得なかったエピソード、上高地の移り変わりなど、様々な話を聞けるので、何倍も楽しいものになるでしょう。

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いつがお勧め?

教科書通りに答えるなら、「春も夏も秋もお勧めですよ」という答えになります。あながち間違いではありません。9割くらいは本当にそう思っています。

残りの1割では「この時期がめちゃめちゃきれいだから、1度は来てほしいなぁ」という時期があります。見てほしい風景があります。
それをここで発表することはできません。公式に怒られそうです。
私のガイドツアーに参加された方には、個人的にお教えします。そして来年そのきれいなところを一緒に歩きましょう。

河童橋より (2)

行ってみたくなりましたか?

なんとなくわかりましたか?
上高地とは自然を見に行くところです。
あなたは「自然にはあんまり興味ないなぁ」という言うかもしれません。ただそう思っていた方が、上高地の自然の美しさに心打たれ、そこから自然に目覚め、今では一緒に山に行っている方がいます。
上高地訪問があなたの人生を変えるかもしれません。

若い方は「え~、遊ぶところないんでしょ?」というかもしれません。実際に来たとしても、何も感じないかもしれません。
年齢を重ねた方が、自然の良さがわかるようになります。
色んな経験を重ねた方が、自然の美しさが心に染みるようになります。
それでも、若い時ならではの感受性があります。
とりあえず来てみて、「何を感じるか」を楽しんでみませんか?

小さいお子さんには「一度体感しておく」ことが、将来につながるかもしれません。


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