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安全登山のために

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安全登山のための記事をまとめました。
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#登山

山に登ったことはありますか?

「山に登ったことはありますか?」と聞かれたら、登山者の方は「もちろんあるよ」と答えるでしょう。 ただ、ほとんどの人が登っているのは「登山道」でしょう。 道のない「山」を登っているのは、猟師、林業関係者、山菜/きのこ採りの方といった皆さんではないでしょうか? 山に道はありません本来、山には道はありません。 斜面に木々が生い茂っているのが山です。 自然ですから、当たり前ですよね。 笹薮ならかき分けて進むこともできますが、木になると「もうこれ以上進めない」ということが多々あります

残雪期“ならでは”の難しさにご注意を

ゴールデンウィーク、多くの登山者が信州の山にやってきます。 その中には「雪を求めて」来る方も多いです。 そして事故が多いのもこの時期です。 山に入る方は、残雪期ならではの難しさを十分知っておいてください。 沢への転落に注意沢を渡る際は、十分に注意が必要です。 雪が溶けて薄くなり、崩落の危険があるからです。 沢は「夏場は橋を架けてあるけど、冬の間は外してある」ことがあります。 十分に雪があれば雪の上を歩いて渡ることができますが、溶けてくればいつ落ちてもおかしくありません。 雪

セルフレスキュー 自分の命は自分で守ってください

登山には楽しいことがいっぱいあります。 でも危険も伴います。 その危険を想定し、備えをしてこそ、本当の意味で楽しむことができるでしょう。 それがなければ「ブレーキの壊れた自転車で坂道を下る」ようです。 もしもの備えを持って、山に入っていますか? 身動きが取れなくなりましたどんな事故を想定できているでしょうか? 山で起こる事故で一番多いのは「転倒・転落・滑落」です。 ・転んで骨折した ・足を滑らせて斜面の下に滑り落ちた 手首の骨折などなら痛くてもなんとか歩くことはできますが、

長野県の山に登る前に知っておいて欲しい7つのこと

長野県の緊急事態宣言が解除されました。都市部も順次解除されていき、越境の規制も緩和されていくと思います。 ずっと登山に行きたくてうずうずしていた方も多いでしょう。「これでやっと登山に行ける」と思っている方も多いでしょう。 ただ、長野県の山に登る前に知っておいて欲しいことがあります。 1.登山自粛の要請が出ている山域があります日常生活での「外出自粛」は解除されました。ただ山域によってはまだ「登山自粛」の要請が出ています。主には北・中央・南アルプスや八ヶ岳といった山域になります

山に入っては山に従う

7月に入り、1年で一番登山者の多い「夏山シーズン」を迎えます。 楽しみにしている方も多いでしょう。今年はコロナによる外出自粛もあり、例年以上に「待ちに待った」という方も多いかもしれません。 ただ、冷静な判断を忘れないでください。 人の都合「どうしても行きたい」のには色々な理由があるでしょう。 ・ずっと楽しみにしていた ・長年の夢(憧れ)だった ・頑張って休みを取った ・仲間と行けるのはこの日しかない ・せっかく来たんだし ・次はいつ行けるかわからない ・来年登れる自信がな

外出自粛が続いた後、久しぶりに登山に行く人に注意して欲しい7つのこと

緊急事態宣言が解除され、山にも登山者の姿が増えてきました。 「やっと山の空気が吸える!」 そう喜び勇んで山にでかける方も多いことでしょう。 ただ、久しぶりに登山する人には注意して欲しいことがあります。 1.思っている以上に体力が落ちているものと思うあなたの体力は、あなたが思っている以上に落ちていると思ってください。これは登り始めればすぐにわかります。 「いつもより体が重いな」 「いつもより息が上がるな」 歩かないと筋力も心肺機能も低下します。 「外出自粛中も定期的にウォー

緊急事態宣言解除後の登山計画で注意してほしい5つのこと

緊急事態宣言が解除され、県をまたいだ移動制限も緩和され、信州の山にも少しずつにぎわいが戻ってきました。皆さんが山に来て楽しそうにしている姿を見ると、本当にうれしく思います。 気を緩めることなく、これからも登山を楽しむために、山岳団体やガイド協会、自治体が提言しているポイントをまとめてみました。 大切なのは リスク管理のマージンを取る ことです。 1.万全の体調で「体調管理」は基本中の基本ですが、今まで以上にシビアに考えてください。当日風邪の症状がある場合はもちろん、2週間

今もう一度考える「山に救急車は来ない」ということ

長野県の緊急事態宣言が解除されました。 今までのうっぷんを晴らすかのように、一気に「開放ムード」になっているのを感じます。 「これで心置きなく山に行ける」 でも山に出かける前に、今一度大切なことを考えて直してみてください。 山に救急車は来ない当たり前なことですが「山の中は街なかとは違う」ということです。「すぐに救急車が来てくれる、すぐに医療機関に行けるわけではない」ということです。このことをもう一度認識してください。 「もしも」に備える登山では「もしもに備える」というのが