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5. プログラミングを実質的変更とする判例を受けた半導体関連機器の原産国判断

 最初に米国税関職員Monika R. Brenner氏 (Chief、Valuation and Special Programs Branch: 2023年8月現在) の論文 (2019年11月18日に米国国際貿易裁判所が主催した「第20回 司法カンファレンス」の資料として同裁判所ウェブサイトに掲載)の一部を引用します (以下、翻訳は筆者による仮訳)。事前教示において実質的変更を判断する立場からプログラミングに係る米国税関の対応について言及しています。

・・・ 米国税関の最終決定とEnergizer判決は、(対中国追加関税に係る) 通商法第301条の救済措置が発効する前に決定されたものであるため、言われているように米国税関が特定の組立工程をより厳しく精査したとするならば、それは第301条に対応したものではない。しかしながら、言及された過去の判例をすべて考慮するならば、Energizer判決は、米国税関の最終決定で考慮され、1982年のData General v. United States判決, 4 C.I.T. 182 (1982) 以降評価対象となっていないプログラミング及びソフトウェアのインストールといった新しい技術について議論する機会を逸していた。米国税関は、現在もプログラミングが物品の原産性に与える影響を分析し続けている。しかし、Energizer判決における判断は、裁判所の過去の判決に頼ることへの安心感に浸れるものにはなっていない。したがって、今年になって輸入者が追加関税の支払いを避けるために複雑で意味のある組立工程への移行を試みてより多くの原産国事前教示を求めているように、(判断基準の) 線引きは依然として不明確なままである。

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